今回はTM NETWORKの名曲
「Self Control(方舟に曳かれて)」の歌詞解説です。

サウンドとメロディのキャッチーさが印象的なので
あんまり歌詞解説とかやってないんじゃないかな?
僕が調べた限りでは出てきませんでした。
世界初かもしらん(笑)
「Self Control〜」は1987年2月のリリースです。
同名の4thアルバムからの先行リリース曲ですね。
他にもありすぎて困りますが
TM NETWORKの代表曲と言えるでしょう。
ちなみに
シングルバージョンはラストがフェードアウトになるため
若干、歌詞が短くなっています。
今回はアルバムバージョンのフル歌詞を記載することにします。
早速いってみましょう。
君を連れ去る車を見送って
追いかけることさえできなかったあの夜
全てを許す消えそうな横顔
窓ごしに映って 切なく手を振ってる言いたいこともうまく言えなかった
このままサヨナラをする訳にはいかない
心の中にたかまってくリズム
もう押さえることは できないさしばられたアダムとイブ
走りぬけたボニー&クライド
大切なあの子の目を これ以上くもらせないでSelf Control 今までのぼくは
Self Control 本当の悲しみ
Self Control 知らずにいたのさ
Self Control 君に会うまでは
Self Control 自由のナイフで
Self Control とらわれた心を
Self Control 粉々にするさ
Self Control バラバラにするさ見えない明日に迷う時は
ノアの方舟で二人こぎ出してゆく Self Control今ならきっと間に合うはずだから
悲しみに閉ざした君のドアをたたくよ
素直なままに流れるその髪に
もう一度 この指を触れさせてしばられたアダムとイブ
走り抜けたボニー&クライド
大切なあの子の目を これ以上 くもらせないでSelf Control 教科書は何も
Self Control 教えてはくれない
Self Control 明日のことなど
Self Control 誰もわからない
Self Control おもいきり泣いて
Self Control おもいきり笑って
Self Control 君をとりもどせ
Self Control 夢をとりもどせ最後のエデンに君の笑顔
あきらめかけてた ぼくを励ましていた Self ControlSelf Control 今までのぼくは
Self Control 本当の悲しみ
Self Control 知らずにいたのさ
Self Control 君に会うまでは
Self Control 自由のナイフで
Self Control とらわれた心を
Self Control 粉々にするさ
Self Control バラバラにするさSelf Control 教科書は何も
Self Control / 小室みつ子
Self Control 教えてはくれない
Self Control 明日のことなど
Self Control 誰もわからない
1A
君を連れ去る車を見送って
追いかけることさえできなかったあの夜
全てを許す消えそうな横顔
窓ごしに映って 切なく手を振ってる
いきなりのwhat?です。
以前、『歌詞の意味を考える ~「なごり雪」編~』でも書きましたが、
冒頭に「え、何?どういうこと?」という歌詞を持ってくることで
リスナーを惹きつけることができます。
現時点では、状況がはっきりわかりませんね。
とりあえず「君」、おそらく女性が
不本意ながら車に乗せられて連れていかれるというシーンです。
それをただ見ていることしかできなかった自分。
おそらく男性でしょう。
全てを許す消えそうな横顔
そして〜手を振ってる
というあたりから、
女性のほうは何か開き直りというか、悟りというか
現状を甘んじて受け入れているような印象があります。
「仕方ないよね」と。
恋人だった女性を連れ去る、他の男の存在なのか。
それとも別の理由で連れ去られているのか。
何やら複雑な事情のようです。
1A’
言いたいこともうまく言えなかった
このままサヨナラをする訳にはいかない
心の中にたかまってくリズム
もう押さえることは できないさ
後悔、そして未練があるようです。
今までの「君」との関係で、なかなか自分の想いを伝えられなかった。
しかし一抹の希望もあります。
主人公の人物はまだ諦めていませんよね。
納得がいかない
なんとしても彼女を連れ去られたくない
そんな思いが伝わってきます。
現状を打破したい
というエネルギーがどんどん膨らんでいくようです。
しかし、詳しい状況はまだわかりません。
1B
しばられたアダムとイブ
走りぬけたボニー&クライド
ここは比喩ですね。
旧約聖書に出てくるアダムとイブ。

禁断の実を食べてはならぬという、神との誓約。
罪をおかしたことによって肉体的な終焉を迎えることになった
つまり、命の終わりという宿命。
そしてボニーとクライド。

逃避行の象徴のような二人です。
(ボニー&クライド取り上げられすぎ問題)
何か約束事や宿命に縛られ、またそれらから逃げようとしている二人
という例えですね。
どちらも男女のペアということも
自分たちと重なるんでしょう。
大切なあの子の目を これ以上くもらせないで
ここで少し状況が見えてきました。
おそらく恋人を連れ去る他の男なのではなく
何か権威的なものが圧力によって“君”を連れ去っている。
例えば
主人公たちは身分の違いがある二人で
結ばれることを快く思わない人(親)に連れ戻されている、とか。
なにか将来の目的(誰かが決めた)に対して
タイムリミットがせまっており連れ戻されている、とか。
そんな状況なのかもしれません。
「あの子の目をくもらせないで」とあることから
彼女の思いとは違うことを、誰かが無理やり達成させようとしていることには違いありません。
1サビ
Self Control 今までのぼくは
Self Control 本当の悲しみ
Self Control 知らずにいたのさ
Self Control 君に会うまでは
Self Control 自由のナイフで
Self Control とらわれた心を
Self Control 粉々にするさ
Self Control バラバラにするさ
「Self Control」とは文字通り
自らの制御。
つまり自制心のことです。
ちなみに作曲した小室哲哉さんは
「もっと色々なフレーズや音を付け加えたかったんだけど、我慢した。これぞセルフコントロール」
みたいなことを語ってらっしゃいます(笑)
self controlの部分をどう解釈するかは後述します。
ひとまず、それぞれの後半部分を考えていきましょう。
今までの僕は 本当の悲しみ知らずにいたのさ 君に会うまでは
自由のナイフで とらわれた心を粉々にするさ バラバラにするさ
後半部分だけ繋げても文章になりますね。
やはり「君」とは恋人関係なのでしょう。
君と出会うことで色々な悲しみを知ってしまった。
この悲しみとは
「別れ」も含まれますが、おそらく
「自由を束縛される」というものもあるはずです。
〜とらわれた心を粉々にするさ
彼女が何かに自由を束縛されている。
そして彼女自身の考え方や価値観もあまり良くないものに凝り固まっている。
そんな状況を
「俺が壊してやるぜ!」と
漫画の主人公ばりにイキっとるわけです。(←言い方)
1C
見えない明日に迷う時は
ノアの方舟で二人こぎ出してゆく Self Control
ここでも比喩が出てきます。
将来に不安を抱える二人が
現状を変えるために、ピンチを回避する。
これまた旧約聖書に出てくる
「ノアの方舟」の話になぞらえていますね。
神の怒りをかい、大洪水を引き起こされるが
大きな方舟を作ってノアが脱出するという話です。
曲のタイトルにも「〜方舟に曳かれて」とあることから
この方舟というワード、ノアの脱出、これらが重要なポイントでしょう。
「今の状況から二人で脱出しよう」がこの曲を貫いている大きなテーマ
のように思えます。
2A
今ならきっと間に合うはずだから
悲しみに閉ざした君のドアをたたくよ
素直なままに流れるその髪に
もう一度 この指を触れさせて
やはり逃避行のようですね。
今ならまだ間に合う。
押し付けたれた価値観によって、彼女の心が完全に閉ざされてしまう前に。
彼女の心のドアを解放しよう。
「もう一度あの頃の君に戻って。僕が連れ出すから」
という強い思いです。
2B省略、2サビ
2番のBメロは全く同じなので省略します。
サビは1番と同様「Self Control」との掛け合いですね。
後半部分をつなげると、
教科書は何も教えてはくれない 明日のことなど誰もわからない
おもいきり泣いておもいきり笑って 君をとりもどせ夢をとりもどせ
となっています。
教科書、つまり世の中から押し付けられる知識や常識は
いざというときに役にたちません。
明日のことなんてわからない。
だから君らしく、感情を爆発させて、思いどおりに生きよう。
そう願う男性の気持ちでしょう。
この2番サビの歌詞は
ティーンだった頃の僕にブッ刺さりましたね〜。
その結果
好き勝手に生きる大人になりました(笑)
2C
最後のエデンに君の笑顔
あきらめかけてた ぼくを励ましていた Self Control
個人的に、ここが一番解釈が難しいところです。
エデンとはBメロに出てくるアダムとイブが暮らす楽園のことですね。
しかし、そのまま「最後の楽園」と解釈すると
いまいち意味が通じません。
最後のエデン、を
「二人のいい思い出」または
「関係が良かった頃の二人」
と解釈するなら、
あの頃の君の笑顔を思い出して勇気が出た
のような捉え方ができるかもしれません。
あの笑顔を取り戻したい一心で諦めずに済んだ、と。
Self Controlの意味
さて、ここでself controlの解釈をしていきます。
前述したとおり、「自制心」という意味ですが
そのままだとなんか味気ないというか。
最後のエデン同様、意味が通じない文章になります。
サビだと
「自制心!自由のナイフでとらわれた心を〜」
ってなっちゃうし。
Cメロだと
「〜二人こぎ出していく。自制心!」
となる。
あんまり「自制心」自制心」連呼してもね・・・
昔「羞恥心」って曲あったな(笑)
というわけで
歌詞全体を眺めてストーリーを考えていくと、
「自制心」よりも
「自分を見失うな」
「他人にコントロールされるな」
という解釈のほうがいいのではないかと。
「自分を見失うな!自由のナイフでとらわれた心を〜」
「〜二人こぎ出していく。自分を見失うな!」
の方がしっくりくるよね。
自制心
↓
自分でコントロールする
他人にコントロールされない
↓
自分を見失わない
こう捉えると
歌詞全体がうまくつながります。
最後に
いかがだったでしょう?
結局、「何が」彼女を連れ去ろうとしているかは
最後までわかりませんでしたが。
恋人同士にふいに訪れる別れ。
「何か」が彼女を連れ去ろうとするが、他人に押し付けられた価値観によって目がくもらされた彼女はそれを受け入れる。
彼女の笑顔を取り戻すため、諦めずに立ち向かう男。
「自分を見失うな!人生は自分のものだ!」
自らにも彼女にもそう言い聞かせて。
要約するとこんな感じでしょうか。
毎度言っていますが
あくまで僕個人の“一、解釈”なので悪しからず。
TM Networkの中でも
かなり上位にランクインする人気曲でしょう。
中学んときの文化祭で
1コ上の先輩がこの曲を演奏した姿がめっちゃかっこよかった。
僕もすごく好きな曲です。
一生変わらずSelf Controlで
我が道を進んでいきたいと思います(笑)
気軽にコメントどうぞ★
(下までスクロールしてください)



コメント