歌詞の意味を考える ~「さよならbyebye」編~

好評の歌詞シリーズ
初のアニソンです。

アニソンと言っても昔みたいな
ガチガチに主人公の名前とか必殺技名が入っているわけではなく(笑)

いわゆるタイアップものですね。
アニソンの歌詞の魅力 ~疲れたり迷ったりしたらアニソンを聞け~

馬渡松子さんが歌う
アニメ「幽遊白書」のエンディングテーマ「さよならbyebye」。

馬渡松子

1993年リリースのアルバム「nice unbalance」の収録で
シングルカットではありません。

歌詞も素晴らしいですが
曲の構成・コード進行もかなり凝った作りになっています。

歌詞を読みこんだうえでコード進行を再確認すると
「なるほどねー」と思わされます。

ふっ切るはずの心に そっと横切る風は優しく
向かい合って握った手と手を いつもの黄昏が包み溶かしていく

おかしいね これぽっちも似ていない貴方と私の微笑(えがお)
今では鏡を見ている気分

悲しまない 平気だからね
何気ない挨拶に隠れてる「ありがとう」
さよならbyebye 元気でいてね
私から切り出したけじめだからキャッチしてよ

ついさっきまで まともに未来のこと話せないでいた

実らない想いの数 増えるほど優しくなってきたけれど
今だけ少しくらいは とがりたくて

悲しまない そろそろ行くよ
他愛ない挨拶と間違えて振り返る
さよならbyebye 元気でいてね
年に二枚くらいの葉書ならキャッチするよ

きっといつか いつか会える
いいよ 返さなくてもいいよ CDもブルースハープも

悲しまない 悲しまないで
不意打ちを食らう顔見せないでピッとしなよ
さよならbyebye  元気でいてね
おめでとうと どちらか言えるとき会ってみたい

悲しまない 平気だからね
何気ない挨拶に隠れてる「ありがとう」
さよならbyebye 元気でいてね
私から切り出したけじめだからキャッチしてよ

さよならbyebye 元気でいてね
年に二枚くらいの葉書ならキャッチするよ

さよならbyebye 元気でいてね
私から切り出したけじめだからキャッチしてよ

さよならbyebye / リーシャウロン

1A

ふっ切るはずの心に そっと横切る風は優しく

いきなり不穏な空気です。
なにかにケジメ、決着をつけるかのような始まり。

しかし“〜風は優しく”とあるところから
これは対比でしょう。

緊張が高まっている登場人物の心理と
変わらない穏やかな日常との対比です。

落ち着かせてくれる、ってニュアンスもあるのかも。

向かい合って握った手と手を いつもの黄昏が包み溶かしていく

向かい合って握った手というのは、握手でしょう。
そしていつもの黄昏(夕暮れ)が包む、と。

ある種の緊張感を持って握手した二人。
しかし、いつものよう夕暮れの空が包みこむ。

つまり、二人は日常的に夕暮れ時に手を握り合っていたのかもしれません。
散歩するとか。

かなり親密な二人のようです。

1B

おかしいね これぽっちも似ていない貴方と私の微笑
今では鏡を見ている気分

この表現は秀逸です。

違う人間だから似ていないのは当たり前。
しかし長年つれそった夫婦などは顔が似てくるといいます。

鏡を見ている”と感じるくらい似ている
つまり、この二人は長い時間を共有してきたということ。

また
「今の状況」に対する何とも言えない表情
二人の抱いている感情
が、似かよっているという意味でもあるでしょう。

〜微笑”というところから
微妙な感情を抱いていることがわかります。

1サビ

悲しまない 平気だからね
何気ない挨拶に隠れてる「ありがとう」
さよならbyebye 元気でいてね
私から切り出したけじめだからキャッチしてよ

どうやら「恋人同士の別れ」のようですね。

何気ない挨拶に〜
言葉数は少ないんでしょう。

いつものように(付き合っているときのように)
軽い感じでbyebye、と。

しかし、その軽い感じの挨拶に
色々な想いと「ありがとう」の気持ちが含まれています。

別れを切り出したのは彼女の方。

けじめ〜”というあたりケンカ別れではありません。
おそらく互いの将来を思っての「前向きな別れ」です。

だけど、未練はある

まず冒頭“吹っ切るはず〜”の“はず”が効いています。

「私のけじめをキャッチしてよ」とお願いするあたり
相手に対するマイナスな感情はありません。

相手のことが嫌いなら
けじめをキャッチしようがしまいがどうでもいいからです。

2A

ついさっきまで まともに未来のこと話せないでいた

やはり未来のことを考えたうえでの別れなのでしょう。

彼女のほうに、やりたいことがあるのか。
お互いの進みたい方向が違うのか。

いずれにしても
それが“別れが最良のはず”なのに話せないでいた。

根底には「別れたくない」という気持ちがあるから
なかなか話せないでいたという状況です。

吹っ切るはずだったのに
なかなか吹っ切れない。

2B

実らない想いの数 増えるほど優しくなってきたけれど
今だけ少しくらいは とがりたくて

ここの表現も秀逸ですねー。

二人ですごす時間は素晴らしいもの、だけど
二人でいることで少しずつ自分のやりたい事や目標なんかを我慢していく。

優しく、つまり丸くなっていく。
お互いに馴染むように。

でも、その状況を変えるために
今だけ少し“とがってみたい”、と。

心を鬼に、じゃないですが
あえて突っぱねてみるという選択です。

2サビ

悲しまない そろそろ行くよ
他愛ない挨拶と間違えて振り返る
さよならbyebye 元気でいてね
年に二枚くらいの葉書ならキャッチするよ

ここで1サビ同様に“悲しまない”が出てきましたね。
自分に言い聞かせているようです。

あまりにもいつもどおりの軽いbyebyeだったので
思わず「え?本当にお別れ?」と振り返ってしまった。

と同時に、名残惜しさの表現でもあります。

そして「私のけじめのキャッチ」をお願いしたから
「ハガキくらいならキャッチするよ」という対比です。

念のために言っておくと
スマホなんか無い時代だからね(笑)

Cメロ

きっといつか いつか会える
いいよ 返さなくてもいいよ CDもブルースハープも

恋人同士の間に貸したCDとブルースハープ。

ブルースハープ

ブルースハープとは小型のハーモニカのこと。
ブルースやロックなどで使われます。

曲がリリースされた90年代は
このブルースハープが少し流行った時代でもあります。

いつか会える”から返すのはそのときでいいよ
と、ここでも関係断絶ではなく前向きな別れであることがわかります。

3サビ・ラスト

悲しまない 悲しまないで
不意打ちを食らう顔見せないでピッとしなよ
さよならbyebye  元気でいてね
おめでとうと どちらか言えるとき会ってみたい

彼にとっては別れを切り出されたことが意外だったんでしょう。

それくらい二人の関係はいいものだった。
だけど彼女の決意は固かった。

男なんだからビシッとしなよ、とたしなめるというよりは
「私もつらいんだから貴方もしっかりして!お互いに頑張ろうよ!」
という激励です。

おめでとうと〜
ここはおそらく結婚でしょう。

しかし、二人の復縁ではなく別の人です。
お互いに違う人と幸せになって祝福しあいたいという思いですね。

何より彼の幸せを願っているんでしょう。

勝手といえば勝手ですが(笑)

これ以降はサビの歌詞の繰り返しになります。

繰り返すことでやはり未練というか
名残惜しさのようなものを感じさせます。

最後に

いかがだったでしょう?

コード進行も計算されています。

BメロとCメロ以外は全部同じ構成なんですよね。
つまりイントロとかとサビが同じっていう。

サビってやっぱり盛り上げたいところなので
自ずとコード進行も違ったものになりがちなんですが。

あえて“盛り上がらないサビ”にすることで
全体を通して淡々とした雰囲気の曲になっています。

またそれが歌詞の世界観と非常にマッチしている。

なにげない別れの挨拶
淡々とした二人のやりとり。

これを表現するには最適な構成でしょう。

固い決意を胸に、最後の別れを告げようとする彼女
しかし、なかなか想いを伝えられない
「今まで本当にありがとう」
嫌いになったわけじゃないから
また会えるから
だから、いつものように軽い感じでbyebye
かわろうとしている二人を、いつもとかわらぬ夕焼けが優しくつつみこむ

話の流れとしてはこんなかんじでしょうか。

これねー、普通に読んでもいい歌詞だとは思いますが
似たような経験をした人のほうがグッとくると思います。

ケンカ別れや自然消滅しかしたことがない人よりも、

別れたくないけど互いの将来のために別れる、という経験をした人のほうが
一皮むけて魅力が増すはずです。

人の恋愛事情に口を挟むつもりはないけどね(笑)

では今回はこのへんで
さよならbyebye。

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