誰かを真似することは危険

好きなミュージシャンは?
憧れのミュージシャンは?

なんて会話をすることも多いと思います。

強く憧れるミュージシャンがいたりすると
その人の使っている機材と同じものを集めたり
その人の得意なフレーズや奏法をひたすら練習したり

そういうことをやっちゃうんだよね、特に若い頃は。
僕もそうだったけど(笑)

いますぐそれはやめましょう。
なぜか?

どんなに頑張ったところで
その境地(その人の演奏レベルや演奏スタイル)に到達することはないからです。

詳しく見ていきます。

なにを真似るのか

誰かを真似るというのは、どの業界でもおこることです。

ミュージシャン、俳優、芸人、スポーツ選手
会社員でも先輩や上司。

良いなぁ、凄いなぁ、と思えば
その人みたいになりたい、その技術・テクニックを身につけたい、と思い
真似を始めます。

悪いところを真似するひとはいないでしょう。
必ずと言っていいほど、良いところを真似しようとするはずです。

しかし、「良い」というのが曲者で
その憧れの対象にとって良い、または結果として良かった、
というだけで自分にとって良いとはかぎりません。

逆もまた然りで
「悪い」ところは憧れの対象にとって悪かったというだけで
自分にとっても悪いとは限りません。
ここも試してみる価値はあるはずです。

「良いところを真似る」という発想自体を
そもそも疑うべきです。

なにが問題か

ミュージシャンであれば
まず機材などに目がいきます。

憧れの対象がAさんだとして、
Aさんが普段使っている機材そのものに注目します。
しかし、Aさんはその機材を使うに至るまでに
おそらく膨大な量の機材やそのセッティング、機材同士の組み合わせを試したうえで
最終的に(現段階では)その機材になったわけです。
しかもそれは、Aさんの音楽を表現するうえでの選択肢の一つにすぎません。

その過程をすっ飛ばして、結果だけつまり機材だけ同じ物を集めたところで
また、仮にセッティング情報を入手して同じセッティングにしたとしても
Aさんの音にはなりません。

若手芸人が、売れっ子芸人Bさんのツッコミに憧れて
ツッコミのワードや動き、声のトーンや間などを真似たとしても
きっと面白くはなりません。

Bさんの動き、Bさんの声のトーン、Bさんの間だからこそ面白くなっているからです。
それをそのまま真似してもそれは偽物です。

スポーツ選手も同じです。
その人とは骨格、筋力、反射神経、など身体のつくりが違うのに
表面的なところだけを真似ても自分の身体に合う保証はありません。
むしろ身体を壊すようなこともあり得るわけです。

これらは全て
膨大な試行錯誤と研究・鍛錬などを見落としています。

何かがうまくいっている人は、膨大な試行錯誤と研究・鍛錬を重ね
その途中で必ず学んでいます。
その人だけの学びです。

しかし、見ている人にはそれを感じさせません。
そもそも出しようもないけど(笑)

だから見えている部分(結果)だけを拾ってもうまくいかないんです。
過程(数々の学び)が無いからです。

どうするか

とにかく自分も膨大な試行錯誤を重ねるしかありません。
先入観なしで。

●自分が今どんな状態か
●どうなりたいか
●そのためには何が必要か
●うまくいっている人はなぜうまくいっているのか
●うまくいっている人の逆の方法を試したらどうなるか

こういうことを常に考え、そして
沢山ある選択肢を片っ端から試していきます。

自分にとっての良い・悪いと
他人にとっての良い・悪いは
絶対に違います。

もちろん参考にできるようなところはありますよ。
しかし、あくまで参考程度です。

言葉は悪いですが
憧れの人にただ憧れて崇拝するのではなく
憧れの人を踏み台にするおいしい情報源選択肢の一つ、くらいに考え
冷静に自分と向き合いましょう。

最後に

膨大な試行錯誤を重ねていくと
そのうち自分のスタイルというものが出てきます。

それは誰にも真似できるものではありません。
自分だけが至った境地です。

そうなった時には
自分も人から憧れられる存在になっているかもしれません。

そしたら踏み台にされるわけですが(笑)