ギターのスムーズなピッキング方法 ~ピックスランティング~

何事もスムーズに行えるに越したことはありませんよね。

定刻どおりにバスが来るとか
レジ打ちのオバチャンの手際がいいとか

動画の倍速視聴だけは納得いかんけど(笑)

ギター演奏においては

  • コードチェンジがスムーズにできない
  • ピッキングがスムーズにできない

といったお悩みが多いでしょう。

今回はピッキングをスムーズにさせるピックスランティングについて解説します。

ピッキングをスムーズにさせるコツは360度で考える、です。

ピックスランティングとは

ピックスランティング(pick slanting)

slant=傾斜、です。
ピックを傾けるということですね。

画像のような
ピックのアングルとは別物なので混同しないようにしてください。

ピックアングル

アングルは弦の並びに平行な軸、に対する角度です。(赤丸がピック)

これについてはまた別の機会に解説します。
ここでは触れないのであしからず。

対して、
ピックスランティングはボディに垂直な軸、に対する角度、です。(赤三角がピック)

ピックスランティング

ギターのボディと自分のお腹を突き抜けるような軸ですね。
ネックや弦の断面をイメージするとわかりやすいでしょう。

ダウン方向に手首を傾ける(ピックの先端が自分の顔方向を向く)ことを
ダウンワードピックスランティング

ダウンワードピックスランティング

アップ方向に手首を傾ける(ピックの先端が足方向を向く)ことを
アップワードピックスランティングといいます。

アップワードピックスランティング

用語は必ずしも覚える必要は無いですが、使い分けは覚えておきたいところです。

例えばコードストロークの場合、

ダウン方向にしかストロークしないのであれば
ダウンワードピックスランティングのみが楽です。ピックがスムーズに進みます。

逆にアップ方向にしかストロークしないのであれば(そんな人はいないと思うけど)
アップワードピックスランティングでOKです。

しかし一方向だけにしか弾かないというのは現実的ではありません

そこでピックスランティングの使い分けが重要になってきます。

どう使い分けるのか

ピックスランティングは1本弦で弾く際には使用しません。
してもいいけど意味はないよね(笑)

複数弦にわたって弾くとき、つまり弦移動の際に効力を発揮します。

どの場面でどっちのピックスランティングを使うかは、弦移動の状態を見極める必要があります。

今弾いた弦をどういう状態で弾き終わり、次の弦をどう弾きたいのか、です。

アップで弾き終わり、下の弦をダウンで弾く

例えば5弦をアップで弾き終わり、次に4弦をダウンで弾きたいとき。

5弦をアップで弾いたままの状態で何も考えずに4弦を弾こうとすると、ピックが再度5弦に当たってしまいますよね?

5弦に当てずに4弦を弾くためには、ピックの先端が5弦を越えることが必要です。

このときにダウンワードピックスランティングを行います。

ダウンワードピックスランティングの実例1

5弦をアップで弾き終わった時点で手首をダウン方向に傾けます。

こうすることでピックの先端が5弦を越える状態にできるので、そのまま一気に4弦を狙えます。

アップで弾き終わり、上の弦をダウンで弾く

5弦をアップで弾き終わり、次に6弦をダウンで弾きたいとき。

最初の例と違い、5弦に2回当たることは無いですが、今度は6弦を1回越える必要があります。

このときもダウンワードピックスランティングで
6弦を1回越えてからダウンで弾きます。

ダウンワードピックスランティングの実例2

ダウンで弾き終わり、次の弦をアップで弾く

ではダウンで弾き終わったときはどうなのか。
考え方はもうおわかりでしょう。

5弦をダウンで弾き終わり、次に6弦をアップで弾きたいとき。

5弦を2回弾いてしまわないように
アップワードピックスランティングで6弦を狙います。

5弦をダウンで弾き終わり、次に4弦をアップで弾きたいとき。

4弦を越える必要があるので、こちらもアップワードピックスランティングです。

アップワードピックスランティングの実例

エコノミーピッキングではどうなるか

弦移動の際に「ダウン・ダウン」や「アップ・アップ」など、同一方向にピックを進めることを
エコノミーピッキングといいます。

この場合のピックスランティングはどうなるか。

特に考えなくてもいいんじゃないの? と思ったそこのあなた。

ゲンコツです(笑)

ギターは全ての弦が同じ高さ(弦高)ではありません。
調整と、ネック指板面のRの度合いや各弦の太さにもよりますが。
ギターのネック、指板Rって?

ピックがボディと完全に平行な軌道を描くとして、6弦をダウンで弾いたままの状態で5弦ダウンへと進むと、一般的なギターでは5弦のほうがピックが深く入ってしまいます。

なぜなら、5弦の弦高がやや高くなっているからです。

2弦を、ピックがギリギリ当たるような深さでダウンで弾き、そのまま1弦へ進むと空振りします。
1弦の弦高がやや低くなっているからです。

弦高の違いによるダウンピッキングの弊害

オルタネイトピッキングの場合は
ダウン・アップのどちらで終わり次をどちらで始めるか、を考える必要がありました。

エコノミーピッキングの場合は
移動先の弦が今弾いた弦より高いか低いか、を考える必要があります。

厳密に言うと、ピックスランティングというよりは
ピックの軌道の話になってきます。

弦の並びのカーブに沿ったピックの軌道にすることが理想です。

理論上、全ての弦移動はこのカーブに沿った軌道を描くべきなんですが
速いテンポでダウンアップを繰り返す場合は不可能なので(笑)

ピックの理想の軌道と、やりがちな軌道

コード弾きとか、エコノミーとか
一方向にピックを進める場合には、一応気にしておきたいところだね。

最後に

ざっとまとめてみましょう。

オルタネイトピッキングの場合

  • アップで終わり、次がダウン:ダウンワードピックスランティング
  • ダウンで終わり、次がアップ:アップワードピックスランティング

エコノミーピッキングの場合

  • 弦高が低い弦の方向にダウン&弦高が高い弦の方向にアップ:ダウンワードピックスランティング
  • 弦高が高い弦の方向にダウン&弦高が低い弦の方向にアップ:アップワードピックスランティング

となります。

これにプラスしてアングルインサイドピッキング・アウトサイドピッキングなども考えていくと
ピッキング技術が飛躍的に向上します。

平面ではなく、常に三次元で考えていくことが重要です。
360度全ての角度をイメージ。

どれくらい傾けるか、は個人差がありますが
理想としてはほんの僅かです。

うまい人の映像を見てもそれほどわからないと思います。
映像では傾けているようにはなかなか見えないんですね。

見えないところでいろんなテクニックを駆使しています。

教則ビデオなどで、海外のギタリスト
「今日は僕の使っているテクニックを全て紹介するよ!」
とか言っていますが、

あんなもの嘘です(笑)

手の内を全て明かすミュージシャンはいません

ギタリストによっては
ダウンワード・アップワードどちらも使い分けるタイプの人と、
どちらか一方にかたよってハンマリングやプリングでうまく処理するタイプの人といます。

そのへんは演奏スタイルや、好みですね。

僕の個人的な感覚としては、

ダウンワードピックスランティングのときは
ほんの少し小指を手の平の中にしまいこむイメージで。

アップワードピックスランティングのときは
ほんの少し親指を押し込むイメージでやるとうまくいきます。

どちらにしてもごく僅かの傾きです。

慣れないうちは大げさに角度をつけてもOKなので
ピックの向かう方向や弦高などを考慮してピックを傾けるという意識をしてみましょう。

驚くほどピッキングがスムーズになるはずです。

完全にモノにするには、すげー時間がかかります(笑)
気になる方はレッスンまで★

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