楽器の練習時間は長いほうが良いのか?

今回は楽器の練習時間の長さについてです。

楽器だけでなくスポーツや学習など、何かを習得するという作業全般に当てはまることだと思います。

結論から言うと
上達は、練習時間の長さに比例しません(笑)

では詳しくみていきましょう。

ではない

練習の量(=時間)ではなく、やはり練習の質なんですよね。
まぁ、質が良ければ量もある程度はあるに越したことはないでしょうけど。

んで「質」というのは解釈が難しいところで。

例えば自分が憧れているプロミュージシャン(仮にAさんとする)がいるとして
Aさんのインタビュー記事とか映像とかで、Aさんが行っている練習方法がわかったとして。

その練習を行って、うまくなるとは限らないんです。

プロのAさんがやっている練習=質のいい練習ではありません

質のいい練習とは

  • 今の自分が耐える(こなす)ことができる練習
  • 今の自分に必要な◯◯が向上する練習

のことです。

プロのAさんの練習をして意味のある人とは、
その練習に耐えられるレベルにあり、足りない部分がその練習で補える人、です。

つまり条件が揃っている人。

例えば、野球少年がいるとします。

「ドーム球場でホームランを打ちたい」と思って、プロから助言をもらい何度も打席に立って、バットを振ったとしても

当然ホームランは打てません。

技術うんぬんの前に、身体ができていないのでパワーが絶対的に足りないでしょ?
条件が揃っていない状態です。

今の自分に見合った練習ができるかどうかが、上達へのカギとなります。

方法

ではどうするか?

これを言ってしまうと元も子もないんですが
自分にとって質のいい練習方法を見極めることはかなり難しいです(笑)

とにかく自分の状態を観察・分析することです。
そして課題を小分けにしていきます。

例えば、アコギで好きな曲をコード弾きでジャカジャカやりたい場合。
ほとんどの人が左右の手の作業を同時に進めていこうとするでしょう。

ここに落とし穴があります。

左右同時に進めていいときとは、左右それぞれを単体で見た場合に問題ないときです。

つまり、左手のみ(コードの押さえ・チェンジ等)と右手のみ(ストロークパターン、リズム等)では問題ない、ということ。

左手だけだとできている

右手だけでもできている

じゃ合わせてやってみるか!

と、ならなければいけません。

しかし、ほとんどの人が左右どちらともおぼつかないのに同時進行で練習を進めようとします。
これでは条件が揃っていません。

左右どちらともおぼつかないということは
一つ目の“自分が耐えられる練習”ではないということです。

これを、左手のコードチェンジだけを一旦強化する、とすれば
二つ目の“今の自分に必要な○○(コードチェンジ)が向上する練習”となるわけです。

リズムが弱ければ、右手だけでリズムを強化する。

左右がそれぞれ強化できたら左右を合わせてやってみることに、「耐えられる」というわけです。

一気に進めたい気持ちはわかりますが、
自分が「何ができているのか?」「何ができていないのか?」をじっくりしっかり観察・分析して

左手だけ、右手だけ、一小節だけ、ワンフレーズだけ、
という風に小分けにして練習を重ねていきます。

「こうだとできるけど、こうなるとできない」という、できる・できないの境界線を明確に
一つ一つクリアしていくことが大切です。

質が良ければ?

では、質が良ければ練習量が膨大になってもいいのか?
これには当然限度ってものがありますね。

ここで突然、脳の話になりますが
人間の脳は日々膨大な情報をインプットしています。24時間フル稼働です。

目はつむるので、視覚情報は寝ている間にはほとんど入りませんが
耳の穴は閉じていないでしょ?(笑)

自分で認識していないだけで、音自体はインプットされています。
虫がとまったら払いのけたり、かゆいところを掻いたりと、皮膚にも情報が入っていますよね。

楽器の練習というのも脳へのインプットです。
しかし練習のしすぎ、つまり脳への情報過多な状態はよくありません

情報の整理が必要です。

練習の落とし穴」の記事でも書きましたが、情報の整理には寝ることが必要です。
集中してある程度練習したら、休息または睡眠をとりましょう。

毎日根詰めてやって脳の情報がいっぱいいっぱいだなー、と感じたなら
意図的に数日間全く練習しない、というのもアリです。

まとめ

無理のない範囲で毎日触ることが理想ですが、やりすぎも良くないということですね。

身体の痛みストレス、などを感じたら即やめましょう。
身体的な、そして精神的なリフレッシュをはかってください。

仕事にしていると、楽器を触らない日を設けるのは難しいけどね(笑)

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