音符や休符のルールはわかっていても
なんとなく譜面を読むことが苦手という人は多いでしょう。
4分音符は2分音符の半分でー
8分音符は4分音符の半分でー
付点?1.5倍だっけ
えーっと・・・
なかなかスムーズには読めませんよね。
全て数値または言葉で考えるとわかるようになります。
そして、基準をどこに置くか、が大事になってきます。
基本的な音符・休符の読み方はこちらを参考に。
(音符や休符の長さ 〜4種類だけ覚えれば読める〜)
音符とは何か
音符とは何でしょう?
その名のとおり、音を符(記号)にしたものです。
そして音符が集まって楽譜となります。
音符・楽譜は
不特定多数の人に、同じ情報を伝えるためのただの記号です。
情報の伝達手段である以上、読み方のルールがあります。
古いもので2000年程前の古代ギリシャで文字譜というものが残されており
そのほか各年代・各地域で「一線譜」「三線譜」「五線譜」「タブラチュア(タブ譜)」「図形譜」など様々発展していきます。
一般的には、西洋音楽を基準とした「五線譜」「タブ譜面」のイメージが強いでしょう。
なぜわかりにくいのか
譜面はなぜわかりにくいと感じるのか。
理由として大きく2つあると考えられます。
「反復」と「基準」です。
反復の量
僕は幼少期から音楽をやっていたので
物心つくころには、譜面を読めていました。
なので、譜面が読めない感覚は理解できません(笑)
もちろん、読めない人の気持ちを考慮しながら
レッスンでは読み方を丁寧にお伝えしますが、
読めないという感覚そのものにはピンときていません。
この、読めない感覚がわからないというのは
どういうことか。
無意識下で読んでしまえている、ということです。
つまり膨大な反復のたまものです。
自転車に乗れるようになった人は、
乗れなかった頃の記憶はあるとしても
乗れないという感覚は理解できませんよね。
膨大な練習によって乗れる感覚になっているからです。
譜面もこれと同じで
ルールを覚えて反復する必要があります。
とにかく何度も何度も。
頭に定着しないうちに反復をやめるから、いつまでたってもスムーズに読めない
という状態になります。
「譜面を読む」という作業の膨大な反復を繰り返して読める感覚になってしまえば
つまり無意識下に持っていければ、
もはや自分がなぜ読めなかったのかもわからない、という状態になります。
基準をどこにおくか
譜面は小節というもので区切られています。
この小節は長さ、つまり
入る音符や休符の量が決まっています。
4分音符一つを一拍といいますが
基本的には一小節あたり4拍までしか入りません。(4拍子なら)
なので、多くの人が4分音符を基準に考えはじめます。
一小節内に4分音符が4つ入って〜
8分音符は4分音符の半分だから8つ入って〜
16分音符はさらに半分だから16入って〜
ちなみに4つ、8つ、16といいましたが
日本人は何の違和感もなく1〜9までを「つ」をつけて数え、(ひとつ、ふたつ〜)
10になった途端「つ」が抜けるというのが
海外の人からすると意味不明らしいです(笑)
話がそれた。
4分音符を基準に考えますが、4分音符だけで構成された曲なんておそらくありません。
同じ音符(4分音符だけ・8分音符だけ、など)で曲を作ること自体が
かなり無理があるからです。
なぜなら単調になるから。
童謡とかならなんとかなります。
僕の知る限り、一番シンプルなのは
「ちょうちょう」です。
左手は省略しています。
これを、2分音符のところを「4分音符+4分休符」にすれば
全体が「4分」の要素のみとなり、かなりシンプルになります。
(作曲者の意図とは違うことになりますが・・)
「チューリップ」や、我らが日本の国家「君が代」もかなりいい線いっていますが
やはり同一音符でない箇所が出てくるんですよね。
つまり
4分音符だけの曲なんて無いに等しいのに、4分音符を基準にするからリズムを見失っているんじゃないの?
というわけです。
どうするか
では4分音符を基準にしないとしたら、どうするか。
譜面の中の最小単位で考えればいいんです。
曲中に8分音符までしか出てこないなら8分音符を基準に。
途中、16分音符も出てくるなら16分音符を基準に。
4分音符基準のデメリット
4分音符を基準にすることは
大きいものを基準にして、例外として小さいものが出てくることです。
4分音符・8分音符・16分音符という音の並びだとしたら
「基準」「基準の1/2」「基準の1/4」となり
基準を分割、つまり
一旦壊さなきゃいけない。
なんのための基準やねん、と。
最小単位基準のメリット
譜面の中に出てくる最小単位、つまり一番短い音符を基準にすると
大きい音符が出てきたら、2倍か4倍かにすればいいだけになります。
基準があって、それを大きくしていく(増やす)だけなので
基準が壊れることがありません。
感覚的にもこちらのほうが捉えやすいでしょう。
図では16分音符を最小単位としていますが
4分音符と8分音符しか出てこないなら、8分音符を基準にして4分音符のときに2倍にすればOKです。
音符の具体的な読み方
では、具体的な音符の読み方(捉え方)を見ていきましょう。
数値を当てはめるパターンと、言葉を当てはめるパターンを解説します。
数値を当てはめる
一般的な解説であるように、4分音符を基準にして8分音符は半分で〜、とやるとわかりにくいので、
最小単位を基準にします。
4分音符と8分音符しか出てこないなら、8分音符を基準の1として4分音符を2でカウント。
4分音符、8分音符、16分音符が出てくるなら
16分を基準の1として、8分音符を2、4分音符を4とカウントします。
言葉を当てはめる
言葉に当てはめてみましょう。
といっても基本的な考え方は数値のときと同じです。
数に対して苦手意識がある人は、言葉の方がしっくりくるかと思います。
当てはめる言葉はなんでもいいです。
1文字・2文字・4文字の言葉を準備します。
昆虫なら「蚊」「ハチ」「カマキリ」とか。
身体の部位なら「目」「鼻」「耳たぶ」とか。
1文字の言葉を16分音符
2文字の言葉を8分音符
4文字の言葉を4分音符とします。
大事なことは1文字ずつ同じテンポで読みあげることです。
「蚊」をゆっくり読んで「カマキリ」を速く読む、なんてやると意味がなくなります。
以下の譜面を読んでみます。
それぞれ言葉を当てはめると簡単です。
か・か・か・か・は・ち・は・ち・は・ち・は・ち・か・ま・き・り
と16音になります。
同様に
め・め・め・め・は・な・は・な・は・な・は・な・み・み・た・ぶ
で16音。
自分にとって身近な言葉、
例えばスポーツや仕事関係や趣味に関する言葉などを当てはめることで
グッと覚えやすくなります。
何度も言いますが、1文字ずつです。
読み上げるスピードを変えないようにしてください。
最後に
何事にもルールはありますが、ルールだからといって鵜呑みにしてしまうと
本質を見誤ります。
譜面というのは、不特定多数の人に情報を伝えることが目的です。
伝わらないなら意味がないでしょ。
だから
読めないなら、自分で読みやすくしてしまえばいい(笑)
技術面でもそうですが
常に視点を切り替える癖をつけることで上達していくんです。
レッスンでは、そういった視点の切り替えについてのアドバイスも行なっています。
気になる方はお問い合わせください★
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