バンドスコアはあてにならない

はい、もうタイトルどおりですね。
以前書いた「コードブックはあてにならない」と同様です。

バンドものじゃない弾き語りのスコアなどもありますが
ここではバンドスコアで統一します。

これらは、ほぼ間違いなく正しく書かれていません。
正しくというのは“アーティスト本人が弾いているとおりになっているか”という点です。

バンドスコアを買う人の心理として、

「好きなアーティストの曲を弾きたい」
「本人が弾いているとおりに弾きたい」
というものがあるでしょう。

それが達成できないのなら正しいバンドスコアとは言えませんよね。

世に出回っているほとんどのバンドスコアで達成できません

詳しくみていきます。

バンドスコアとは

楽譜

スコアとは「楽譜」のことです。

厳密には全てのパートを記載した「総譜」と言われるものなので
アカペラ用とかアコギのパートしか載っていないものは、多分スコアとは呼ばないのでしょう。

ボーカルギターベース鍵盤ドラムホーンなど、バンドの全てのパートが載っているから
バンドスコアです。

僕はベースもドラムも鍵盤もできるので
バンドスコアを見る場合は全ての情報が有益ですが、

そうでない人にとっては、なんだか余計な情報が載っていてもったいない気がしてきます(笑)

なぜあてにならないか

バンドスコアはなぜ正しく書かれていない、あてにならないのか。
その理由は大きく二つあります。

コストの問題

当たり前ですが、バンドスコアが世に出回っている以上、それを出版している企業があります。

バンドスコアをどう作るかというと、
企業内に楽器のことがわかっている人がいればその人に。

いなければ外注でどこかのミュージシャンに頼むわけです。
ほとんどがこちらのパターンでしょう。

外注する際に
ギタリスト、ベーシスト、ドラマー、キーボーディスト、の4人にそれぞれ依頼すると
報酬が4人ぶん発生します。

ギター、ベース、ドラム

ギタリストだけど鍵盤もできる、ドラマーだけどベースもできる、という2人に依頼すれば支払い報酬を抑えられます。

さらに、ギタリストだけどベースもドラムも鍵盤もできる、という1人に依頼すれば支払い報酬をかなり抑えられます。

しかし、ここで問題が出てきます。
複数の楽器を高いレベルでこなせる人は、そう多くはいません。

ギターが本業でドラムが少し、とか。
鍵盤が本業でベースもかじっている、とか。

企業側がコストを抑えようとしてこういう人に外注すると
ギターだけしっかりで他の楽器がイマイチ、みたいなバンドスコアになってしまいます。

そもそも正解がわからない

企業がバンドスコアを出版する際、ほとんどの場合そこにアーティスト本人はいません。
つまり曲の「正解」がわからないのです。

外注で依頼されたミュージシャンは耳コピで譜面に起こしていきます。

しかし、複数の楽器が入った「完パケ」音源を耳コピしても100%拾いきれません。
これは耳コピする側の精度の問題ではなく、物理的な問題です。

楽器の数が多くなるほど、録音・MIX(編集)する段階でどうしてもマスキングされる(聞こえにくくなる)部分が出てくるからです。

わからないから細かいニュアンスなどないがしろにされます。

というか、聞き取る時間もあまりかけられないわけですよ。
もちろんコストの問題で。

本人監修はどうなのか

バンドスコアは、ほとんどが企業が独自に(と言っても許可は得ている)出していますが
中にはアーティスト本人が製作に立ちあって出している場合もあります。

いわゆる「本人監修」や「完全監修」などをうたったものです。

じゃ、これは本人監修なんだからさすがに信用できるだろう
と思うかもしれませんが、やはりこれらもあまりあてにはなりません。

なぜなら・・・

本人もわかっていないことが多いから(笑)

ミュージシャンとして活動していない人にはピンとこないかもしれませんが
レベルの高いミュージシャンほど、レコーディングやライブで自分が弾いたものを覚えていません。

その瞬間のインスピレーションを大事にするからです。
いわゆるアドリブってやつです。

イントロのリフやメインのバッキング(伴奏)なんかはわりとカッチリ決めて弾いたりしますが
ソロなどはおおまかな方向性だけイメージして基本アドリブです。

バッキングも、カッティング系などはわりとラフに?ランダムに弾いたりします。

よって、弾いたあとはどう弾いたかなんて覚えていないわけですよ。

もちろんプロは耳コピなんて楽勝でできます。
自分の作品をあとから聞いて譜面におこすこともできます。(譜面が書ければ)

しかし、譜面におこすときに確認するのは完パケ音源です。

前述したとおり、マスキングされる部分はどんな人でも聞き取れません。
「あー、たしかこんな感じで弾いたよなー」くらいになってしまいます。

本人監修といっても100%の精度は期待できないのです。

100%精度で製作したいなら、録音したそばから譜面に起こしていくしかありません。
録音してすぐなら録ったパートだけを聞くことができるからです。

厳密に言えば完パケ後でも聞くことはできますが、レコーディング現場の人にお願いするハメになるので色々と面倒です(笑)

どうすればいいか

せっかく買ったバンドスコアがあてにならないとなると、どうしたらいいんでしょう?

バンドスコアを買う人の多くは、耳コピができないまたは苦手な人だと推測できます。
アーティストの弾いているとおりに弾きたいけど、耳コピができない。
だからバンドスコアを買って視覚的に理解する。

うん、だったら耳コピ鍛えたら? って話です(笑)

完パケ音源の100%を耳コピするのは無理ですが、耳コピを鍛えたほうがバンドスコアより精度が上がります。
耳コピについてはこちら「耳コピ・音感・落とし穴

買うなという意味ではありませんよ。
メリットもちゃんとあります。

耳コピするよりも圧倒的に時間の短縮ができるという点。
他の楽器がわかる人なら、曲の全体像も一気に理解できます。

これはバンドスコアならではです。

バンドスコアで大まかな流れを把握しつつ、細かいところは耳コピで詰めていく
というのが理想でしょう。

買うとしても100%正しいわけじゃない、と割り切る。
割り切って耳コピの補助的な意味でバンドスコアをうまく活用していきましょう★


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