コードとスケールの関係性がなぜわかりにくいか

普段のレッスンでは演奏面はもちろん、
コードとかスケールとかの理論も教えています。

コードとスケールの関係性がいまいちわからないという人が大多数でしょう。
僕自身も通ってきた道ですが。

コードとスケールの関係性

正直ねー、独学でこのへんをしっかり理解するのはかなりキビしいですよ。

なぜわかりにくいのか?

それは同時進行で理解しようとしていないからです。

コードとスケールの関係やその他の音楽理論は、おそらくほとんどを
同時進行で覚えていく必要があります

一般的な学習との違い

一般的な学習と音楽理論の学習は違います。

例えば学校で誰もが習う算数

まず
数の数え方を習い、
足し算・引き算を習い、
掛け算・割り算を習い、
因数分解を習います。

人によってはリーマンとかフェルマーとか・・・
凡人の僕には理解できませんが(笑)

一般的な学習内容は
順を追って説明され、順を追って理解していきます。

数がわかるから、足し算がわかる。
足し算がわかるから、掛け算がわかる。

ところが音楽理論はそうはいきません。

まずコードを理解するためには、度数を理解する必要があります。

度数というのは、ドレミ~のそれぞれの音程の間隔がどれだけあるかという指標ですが
このドレミ~というのはスケール(音階)でもあります。

だからといって
度数が完璧にわかったとしても、スケールはわかりません。

コードというのはスケールから派生したものとも解釈できますが
やはりコードだけわかったとしても、スケールはわかりません。

じゃスケールだけ完璧に理解したら?

当然、コードはわかりません(笑)

一般的な学習が階段を一段ずつ上がっていくのに対し
音楽理論は複雑に絡みあっているためグルグル堂々巡りしてしまう、というイメージです。

一般的な学習と音楽理論の比較

どうやればいいのか

度数、コード、スケールなど、これらは複雑に絡みあっています。
どれか一つを完璧に覚えて、次のステップに・・・という方法が通じません。

同時進行で横に広げつつ縦に掘り下げつつ、ジワジワ進めていく。

そして、進める方向を見誤るとすぐに混乱する。
ここが独学での挫折ポイントです。

独学で教本を読んだり、ネットで調べたり・・・余程のモチベーションがない限り無理でしょう。

教える側としても、けっこう難しかったりするんですよ。
「まずコードだけ完璧に理解してね」という風に、一気に踏み込ませるわけにいかないのです。

それをやらせたところで意味がないし、行き詰まるのは目に見えているので。

ではどうするか。
おおまかな順番としては

コード丸暗記・度数

コード成り立ち・度数

スケール・度数

といった感じでしょうか。
では一つずつ見ていきましょう。

コード丸暗記

コードは、まず教本などにあるダイアグラムを丸暗記しましょう。

コードのダイアグラム

ダイアグラムとはこういうやつですね。
横線は弦(下6弦、上1弦)で、縦線はフレットです。

何弦の何フレットを押さえるのか。(●の箇所)
開放(○の箇所)にするのか。
鳴らさない場所(×の箇所)はどこか。
を視覚的に表したものです。

とっかかりとしてはこのフォームの丸暗記でOKです。
というか、それしか方法がない。

そういうものだ、と思ってまずは覚えていきましょう。

そしてフォームを20~30個も覚えるころには限界がくるはずです。

ちなみにこの図のようなオープンコード(開放弦を含むコード)は
どちらかというと例外です(笑)

なぜなら、あまり応用がきかないからです。
簡単なコードは実は例外」を参考に。

度数

度数は、ギターやベースの指板上で考えてもわかりにくいです。

ただし、ある程度理解できてくるとギター等のほうが覚えやすかったりします。
フレットの位置関係的に。

まずは、鍵盤をイメージして覚えましょう。

ピアノ等の経験がある人はイメージしやすいのでここに関しては有利だったりします。ちょっとだけね。
度数について」も参考に。

コード成り立ち

コードの丸暗記を繰り返して沢山フォームを覚えていくと
必ずどこかのタイミングでいきづまります。

だって数が多いから(笑)

ちょっと丸暗記するのがキツくなってきたな、と感じたらコードの成り立ちに手をつけましょう。

コードとは“ある決まった度数の音程の積み上げ”です。
○度と△度の音を積み上げたら□というコード名になる、ということです。

だから成り立ちを覚えようと思ったら度数の理解が必要なわけです。

コードの成り立ちはこちらを参考に。
コードの成り立ち ~意味から考える~
コードの成り立ち その2
コードの成り立ち その3
コードの成り立ち その4
コードの成り立ち その5

スケール

スケールを理解することが一番厄介です。
スケールはコードの分解だし、コードはスケールから導かれるものだし。

は?
最初はチンプンカンプンですね。

スケールはあるコード(□とします)の中で、どういう音が使えるのかという指標、
つまり選択肢を並べたものです。

逆に、選択肢をいくつか組み合わせることで□というコードが導かれます。(□以外のコードも導くことができます。)

度数とコードの成り立ちがわかるようになれば、少しずつ見えてくるでしょう。

まずは基本のドレミ~です。

ドレミ~のそれぞれの音程がどういう関係性(=距離感、=度数)にあるのかを覚えましょう。

注意点

何度も言うようにコードや度数は複雑に絡みあっているので、あくまでも同時進行です。
考え方として。

それぞれを切り離して考えないようにしてください。

一番やってはいけないのが

コードや度数をあまり覚えてもいないのに、教本などの上っ面の情報だけを鵜呑みにして
「このコードのときはこのスケールを当てはめてアドリブすればいいんだな!」
というやつです。

これだと、音を外すことはないですよ?
聞いていて、気持ち悪いという感じにはなりません。

でも音楽が生きていないし、フレーズが活かせていません。
なにより、絶対に先細りです。
進歩しません。

少しずつでいいので度数・コード・スケールを覚えていきましょう。
一気に理解することは不可能です。

あなたの理解力がないわけではありません。
誰しもがそうです。

それくらい複雑なものなので、何度も何度も反復してください。

最後に

同時進行だという意識をもって
度数→コード→スケール→度数→コード・・・と何度も行ったり来たりしているうちに

ある日突然、点と点がつながります。

そうなると一気に世界が広がります。
これは理解している人にしかわからない感覚でしょう。

とにかく音楽に対して見える世界が変わるんですよ(笑)

音楽理論なんて必要ない、とか
俺は音楽理論を学んだことはない、とか
宣うプロミュージシャンもたまにいますが。

そういう人は音楽理論を直感的に?理解している人たちです。

スクールに通ったり教本などで学んだりはしていないけど
なんとなく肌感覚でわかっている特殊な人たち。

いわゆる天才タイプ

または、理論を理解できないバカなんだけど
センス・感性とその場のノリでなんとかなっちゃうタイプ。

あなたは天才タイプですか?

音楽理論は絶対必要です。

しっかり理論を理解して、これまで以上に演奏を楽しめるようになりましょう。
気になる人はレッスン、またはサブスクまで♪
システム・料金」ページを見る


コメント