Hotel Californiaの歌詞で「the」を学ぶ

なにやら興味深いタイトルでしょ?
今回は英語のお勉強をします。

みなさん、英語の「the」はなんと発音しますか?
「ザ」?「ジ」?

うんうん、習いましたよね中学んときに。

基本は「ザ」

でも次にくる単語が母音で始まるときには・・・
「ボ、ボインだってー!?」
っていう展開になるんだよ、中学生男子は(笑)

次にくる単語が母音つまりa、i、u、e、oのときは「ジ」と発音しますね。
地球は「The Earth」「ジ・アース」です。

ところが「ザ」と「ジ」の使い分けには例外があります。
というか、けっこうあいまいなんです。

これを、Hotel Californiaから学んでいきましょう。

Hotel Californiaとは

Hotel California」はアメリカのロックバンド、Eaglesの曲です。
もう、これは名曲すぎてね。

みなさん一度は聞いたことあるでしょう。

Eaglesは1971年にデビューし、他にも「Take It Easy」や「Desperad」などの名曲で知られています。

元々、ロック歌手のLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)のバックバンドとして集められたということもあり、
めちゃくちゃ上手いです。

ライブでも抜群の安定感。

そんなEaglesが1976年に発表した曲が「Hotel California」
13本ものギターが多重録音されたといわれ、緻密に計算された非常に完成度の高い楽曲です。

この頃にはギタリストがオリジナルメンバーではなく、
後任のギタリスト、Joe Walsh(ジョー・ウォルシュ)氏になっています。

個性的で僕も好きなギタリストなので、いつか別の回に詳しく紹介したいと思います。

Hotel Californiaの歌詞

では「Hotel Califonia」の歌詞を見ていきましょう。

On a dark desert highway,cool wind in my hair

Warm smell of colitis,rising up through the air

Up ahead in the distance, I saw a shimmering light

My head grew heavy and my sight grew dim

I had to stop for the night.

There she stood in the doorway,

I heard the mission bell

And I was thinking to myself

‘This could be heaven or this could be Hell’

Then she lit up a candle and she showed me the way

There were voices down the corridor

I thought I heard them say

Welcome to the Hotel California

Such a lovely place (such a lovely place)

Such a lovely face.

Plenty of room at the Hotel California

Any time of year (any time of year) you can find it here


出典:Hotel California/Eagles


まず、1番の歌詞。
母音で始まる単語の前(青色)が1箇所。
子音で始まる単語の前(緑色)が6箇所。

ふむふむ、お約束どおりだね。
んで赤色は・・・?
hotel」という子音で始まる単語の前なので緑色のはずですよね。

よーーく聞いてください。
よ〜〜〜く聞いてください!

「ジ」って言ってるよね!!!

と、とりあえず2番を見てみます。

Her mind is Tiffany-twisted, she got the Mercedes bends

She got a lot of pretty, pretty boys, that she calls friends

How they dance in the courtyard, sweet summer sweat

Some dance to remember, some dance to forget

So I called up the Captain

‘please bring me my wine’

He said, ‘we haven’t had that spirit here since nineteen sixty-nine’

And still those voices are calling from far away,

Wake you up in the middle of the night

Just to hear them say

Welcome to the Hotel California

Such a lovely place (such a lovely place)

Such a lovely face

They livin’ it up at the Hotel California

What a nice surprise ( What a nice surprise),bring your alibis


出典:Hotel California/Eagles

緑色が4箇所。
そして赤色が2箇所。

やっぱり「ジ」って言ってるやん!!

さ、最後まで見てみましょう・・・

Mirrors on the celling,

The pink champagne on ice

And she said, ‘we are all just prisoner here, of our own device’

And in the master’s chambers,

They gathered for the feast

They stab it with their steely Knives,

But they just can’t kill the beast

Last thing I remember, I was

Running for the door

I had to find the passage back to the place I was before

‘Relax’ said the night man,

‘We are programmed to receive.

You can check out any time you like,

But you can never leave!‘



出典:Hotel California/Eagles

緑色が8箇所。

あー、安心した(笑)

というわけでね。

サビの「♪Welcome to the Hotel California〜」の部分だけが
子音で始まる前の「the」なのに「ジ」と発音しているわけです。

どういうことかというと、基本的には
母音で始まる前は「ジ」
子音で始まる前は「ザ」
なんですが

後ろの単語を
強調したいときには子音で始まるとしても「ジ」
と発音するんです。

なるほど、たしかにタイトルが「Hotel California」で
サビに出てくるし、重要なワードだし、強調したいわけですよ。

英語が得意な人にとっては普通のことなんでしょうけどね。

学校で
子音の前が「ザ」、母音の前が「ジ」
というルールを押し付けられた
一般的な日本国民にとっては驚きの事実です。

まぁ、難しいところではあるよね。

強調したいときは「ジ」でいいよ、って教えたら
テストの解答が「ザ」でも「ジ」でも良くなっちゃうし

そうなると先生の採点が困っちゃうし。

だから母音の前が「ジ」で子音の前が「ザ」で、っていうルールで固定しているんだろうけど。

そして、よーーーく聞くと
2番の歌詞の5行目、「captain」の前はなんとなく「ジ」って言ってるように聞こえますよね。
「ザ」と「ジ」の中間みたいな。

結局、ネイティブの人たちはそこまでこまかく「ザ」と「ジ」を使い分けているわけではないらしんです

このへんがいかにも西洋的というか。
ルールは破るもの、的な。

その場のノリで、的な。

日本人とは少し違う発想・価値観なんですよね。

ルールを守る、規律を守る。
はみ出しものは許さない。

日本の良いところでもあるけど。

日本のキッズたちは、とりあえずテストのときはルールを守りましょう。

最後に

僕は邦楽は疎く、洋楽ばっかり聞いていますが
歌詞もけっこう気にしています。

思わぬ発見があったりするんです。

学校でも、形式ばった文法とかではなく
有名な曲の歌詞とかで授業を進めたらいいと思うんですよ。

そっちのほうが実際の「話し言葉」に近いわけだし。

「My name is 〜」なんて
「拙者、〜でござる」みたいなもんでしょ。

洋楽をあまり聞かないという人は、なんでもいいので聞いてみることをおすすめします。

そして、少しでもいいので歌詞の意味とかを調べると
そのうち新たな世界が開けるかもしれません。

今回、「Hotel California」を何度も聞きなおしましたが
改めて凄い曲だなぁと感じました。

アレンジもそうだし、歌詞の世界観もそうだし。
なにより、キャッチーなメロディなのにナゾの暑苦しさというか(笑)

湿度的なものが高いよね。
ボーカルも苦しそうだし、ギターもねちっこいし。

この、ねちっこいギターというのがなかなか真似できないんですよ。
音作りもそうだけど、ここぞというタイミングで弾かないと“軽く”なっちゃうから。

こういうところも、独自の世界観を出すのに一役買っているんでしょう。

歌詞の意味については、ネット上で色々取り沙汰されているので
興味のある人は和訳を調べてみてください。

意味不明だろうけど(笑)

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