みなさんお待ちかねの人気シリーズ? 第三弾です。
「コードの成り立ち ~意味から考える~」
「コードの成り立ち その2」
の続きとなります。
前回までは基本となる三和音・四和音の解説をしました。
今回は、というかここから先はちょっと変わった?コードになっていきます。
知っておいたほうが当然良いですが、まぁ知らなくてもなんとかなります(笑)
ではいってみましょう。
sus4とは
市販のコード譜やバンドスコアなどで「sus4」というものを見かけますね。
サスフォーと読みます。ススヨンでもススシでもありません。
suspended 4th の略です。
suspendedとは 吊るされた、保留された、という意味です。
サスペンダーというものがありますね。アレです。
コードでアレは関係ないけど(笑)
sus4の構成音は1度(ルート)、4度、5度となります。
つまりメジャーコードの長3度を4度にかえたコードです。(本来なら4・5度は完全4度、完全5度といいます)
C(ド)のsus4ならば「C・F・G(ド・ファ・ソ)」となります。
3度のかわりに4度にsuspended(保留)しているわけです。
suspendedの解釈は意見が分かれるところですが、「掛ける」という意味もあるので、
個人的には4度から長3度への“掛け橋”というニュアンスで捉えています。
単純に3度の音を4度に「吊り上げる」という意味かもしらんけど。
sus4って結局、単体では存在しにくいというか。元のトライアドに帰りたがるので。
さて、基本の三和音のところ(コードの成り立ち ~意味から考える~)で
3度が「明るい・暗い」の方向性を決めると解説しました。
ところがこれは3度が無い。
長も短もない。
ということは、明るいか暗いかがわからない。
なんとも言えない空気感なわけです。浮遊感のあるコードです。
浮遊感がありなんとも言えないが、なんとなく明るさを思わせる。
つまり長3度をにおわせる。
ここ大事です。「に・お・わ・せ・る」
なんとなく長3度に帰りたくなりませんか?
この帰りたくなる感を音楽的には「解決する」と言います。
sus4だけだとなんとなく不安定で浮遊感があって、それはそれでいいんだけども
どこかに落ち着きたがるんです。
クラシックなどでは必ずと言っていいほどsus4を鳴らしたら、メジャーコードへと帰ります。
つまり4度→長3度という解決です。
みなさん一度は聞いたことがあるでしょう。
教会などで「アーメン」と歌う部分ですね。
あれがまさにsus4から長3度への解決です。
注意点があり、sus4のコードは、あくまで長3度の代わりに4度にしたものなので
長3度と4度が共存する(同時に鳴らす)ことは、基本的にありません。
鳴らしてみるとわかりますが、キモチワルイ(笑)
しかし同時に鳴らしてはダメというルールではないので、それをアリだと感じるのであればアリでしょう。好む人は少ないよ、ということです。
sus2とは
sus4の他にsus2というものもあります。
suspended 2nd の略です。
suspendedとは 吊るされた、保留された、という意・・・もういいか(笑)
sus2の構成音は1度(ルート)、長2度、5度となります。
C(ド)のsus2ならば「C・D・G(ド・レ・ソ)」です。
やはりこちらも長3度の代わりに長2度を置いているので長3度と長2度が共存することはありません。
ただし!
sus2という解釈の場合は、です。
sus4のときの4度と違い、この2度というやつは長3度と共存が可能です。
は?
さっきと言ってること違うやん
ごめんね(笑)
「sus」といれちゃうとsuspendedということなので
先に書いたとおり長3度のかわりだよー、というニュアンスになります。
よって長3度との共存はNGです。
□add9や、□(9)といったコード(□部分はコードのアルファベット)では
付け加えた、積み上げた、というニュアンスなので長3度と長9度(長2度の1オクターブ上)が共存します。
「代わりに」なのか「付け加えた」なのかで、共存あり・なしが決まるというわけです。
さて、勘の鋭い人ならある疑問が浮かんできたでしょう。
4度も付け加えた、積み上げた、という解釈なら共存ありなんじゃない?
んー、それはダメなんだな(笑)
2度がOKで4度がNGというのは、それぞれの長3度との距離感に関係してくるんですが。
テンションやらアヴォイドノートやらまた複雑な話になってくるので別の回に。
とりあえず、susとついた場合には長3度の代わりなんだという捉え方をしましょう。
sus4(4度)からメジャーコード(長3度)に解決すると、先にも書きましたがこのsus2も加えて
sus4(4度)→メジャーコード(長3度)→sus2(長2度)→メジャーコード(長3度)
といったコード進行もよく見かけます。
浮遊感と透明感と爽やかさをあわせもつ、テッパンの進行ですね(笑)
メジャーコードだとシンプルすぎて物足りないな、というときにはsus4やsus2を前後に置くという使い方も効果的です。
ドミナントセブンスsus4
再びsus4系に戻りましょう。
ドミナントセブンスsus4ですが、略してセブンスsus4とも言われます。
「コードの成り立ち その2」で解説した、ドミナントセブンスコードの長3度を4度に変更したものですね。
□7sus4と表記します。こちらも特徴的な響きです。
構成音は1度(ルート)、4度、5度、短7度。
C(ド)のセブンsus4ならば「C・F・G・B♭(ド・ファ・ソ・シ♭)」となります。
知っている人も多いかと思いますが
THE BEATLESの「A Hard Days Night」のイントロがこのセブンスsus4です。
「ジャーーーーン!」「♪It’s be a hard〜♪」と続くあの「ジャーーーーン」の部分。
G7sus4です。
おそらく世界一有名で世界一短いイントロでしょう。
G7sus4を覚えたら「俺、ビートルズのイントロ弾けるぜ!」と豪語できるよね(笑)
「コードの成り立ち その4」に続きます★
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