ギターの歴史

みなさん、おなじみのギターですが、その歴史を知っていますか?

はっきりとした時期は断定できないようですが、ギターは14世紀ごろからあるんです。

14世紀だよ。ルネッサ〜ンスだよ(笑)

といってもこの14世紀ごろのものは、現代のギターとは弦の本数などが違います。
原型というかルーツを考えるならさらに古く、数千年前にまで遡ります。

もちろんね、エレキはわりと最近だよね。

ギターを弾くなら少しでもいいのでギターの歴史を知りましょう。

ルーツはいつか

ギターやベース、ハープなど弦をはじいて音を出すものを、撥弦楽器(はつげんがっき)といいます。

古代、狩猟民族が弓を動物の骨やココナッツなどに突き刺して(共鳴させるために)、音を出したのが始まりなんだとか。

紀元前3000年ごろのエジプトの壁画に描かれていたり、紀元前1800年ごろの古代メソポタミア遺跡にはそれらしき彫刻もあります。

ギターのレリーフ


少なくともこのあたりの時代には、権力者や上流階級に普及していたということです。

すげー古いじゃん(笑)

そしてここから世界各地に広がっていきます。
というか複数の地域で似たようなものが発生し、混ざりあいつつ変化していったと考えるのが自然でしょう。

古代ペルシャ・ササン朝の「バルバット
これがアラビア地方へ伝わり「ウード」へ変化したと考えられています。

ただ資料が少なく、諸説あるので断定はなかなか難しいところです。

このウードはフレットはなく、現代のギターにはまだ比較的遠い存在です。

ルネッサンス期

アラビアへ伝わった「ウード」は
東に伝われば中国の「ピパ」や日本の「琵琶」に。
西へ伝わればヨーロッパの「リュート」となりました。

リュート

このリュートがおそらくギターの直系に近い先祖だと思われます。

ちなみにこれ、西へ伝わったのはかの有名な十字軍の遠征がきっかけなんだとか。

リュートはギターのように単弦を6本張り「1弦」「2弦」という数え方ではなく、
複数弦(同じ音程、またはオクターブ違い)を張り、「1コース」「2コース」という数え方をします。

そして初期は6コース(12本弦)ほどで、そこから時代を追うごとに14コース(28本弦)くらいまで増えていきます。

僕は12本弦のアコギを所有していますが、12本でも弦交換めんどくさいのに
28本て!(笑)

リューティスト(リュート奏者)は人生の3分の1を調弦している
とまで揶揄されたそうで。

調弦や弦交換には間違いなく時間がかかるでしょうが
そんな苦労のしがいのある、非常に美しい音色です。

王侯貴族や宮廷音楽家たちによって演奏され、「楽器の女王」と呼ばれていたようです。

ちなみに、フレットのようなものが付いていますが、ギターのように金属がはめてあるわけではなく
ガット弦(動物の腸をつかった弦)を巻き付けてあります。

よく見たらフレットの幅が平行ではないのがわかります。

ってことは28本弦にプラスして、フレットの本数だけ弦が必要じゃん(笑)

リュートの進化〜ビウエラ誕生

15世紀ごろになるとリュートが進化し、「ビウエラ」という楽器が誕生します。

ボディにくびれがあり、複弦4コース(つまり8本)と
リュートにくらべかなり現代のギターに近い形状になります。

バイオリンもこの頃に誕生したようです。

ただ、13世紀ごろには「ギターレ」「ヴィオラ」という単語が文献に載っているという話もあり、正確には時系列を追えません。
あくまで一般論です。

ギターの原型

そして16世紀ごろに「ギター」の原型が誕生します。

ビウエラを小型化し、複弦4コースのもので「ルネサンスギター」と呼ばれました。

このルネサンスギターはのちにキリスト教の宣教師たちがハワイに伝え、「ウクレレ」になったといわれています。(ウクレレは4本弦)

17世紀ごろ、いわゆる“バロック時代”には複弦5コースになり
バロックギター」と呼ばれます。

進化するのはリュートやギターだけではありません。
ピアノやバイオリンも同じように進化をしていきますからね。

音量面でどうしても劣ってしまうリュートやビウエラは、徐々に衰退していくことになります。
現在は復活していますが。

われらがギター

19世紀に入り、やっとのことで現代ギターが誕生します。

それまで複弦5コースだったものが単弦6本となり、もうほぼ僕らの知るギターとなります。
ただ、まだまだ音量が小さく、改良の余地はある状態でした。

ギターは長いこと“サブ”だったんです。
フルートなどの管楽器にはかないませんからね。

伴奏だけの目立たない楽器です。

そんな状況を打破すべく?
改革者・革命児が登場します!

Antonio de Torres(アントニオ・デ・トーレス)氏です。

彼はギターのボディ自体を大型化し、弦の長さも変え、音量と音質の大幅な向上をはかりました。

これがいわゆる「クラシックギター」の基礎となります。

トーレス以前のギターを「19世紀ギター」、トーレス以後のギターを「モダンギター」といいます。
いかに彼の与えた影響が大きいものだったかがうかがえます。

アコギの登場

さて、ここまでは「クラシックギター」の系譜でした。

張ってある弦が、ガット弦やナイロン弦です。

スチール弦が張ってある「アコースティックギター」はいつごろできたかというと
1833年、ギター職人のChristian Frederick Martin(クリスチャン・フレデリック・マーティン)氏によって製作されます。

おや?
どこかで聞き覚えのある名前ですよね?

そう、この方がギターブランド「Martin」の創始者です。

初期のアコギの弦は、軍事用に開発された鋼線を張っていたんだとか。
1850年代から本格的にアコギの生産が始められます。

エレキの登場

1920年代に、弦の振動を音に変換するピックアップが開発され、
アコギにとりつけたものが販売されはじめます。

ソリッドボディのエレキではなく、
あくまでアコースティックにピックアップを付けたもの、というスタンスです。

そして1940年代からストラトやレスポールなどのThe・「エレキギター」が開発されるわけです。

ピックアップで音を拾い、電気的に増幅するという形になり
徐々にギターが目立ちはじめます。

バンドの「花形」になっていくわけですよ。

そして数々のギターヒーローたちが誕生していきます。

最後に

なんでもそうですが、ルーツを掘り下げていくというのは大変有意義なことだと思うし
なにより面白いです。

正確な記録がない、という点にロマンを感じます。

例えば野球ならね、
ベーブルースの記録を大谷選手が抜いただの何だのって言うけど

もしかしたら古代人の中に野球(のようなもの)で、とんでもない記録を打ちたてた人がおったかもしれんでしょ?

ギターだって、やれイングウェイだのインペリテリだの誰が速いとか言うけど

もしかしたら古代人の中にギター(のようなもの)で、とんでもない速さで弾ける人がおったかもしれんのですよ。

さてと、古代人に負けないように練習するか(笑)

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