曲にあわせる練習は良くない

もともとある誰かの曲にあわせて、ギターを弾いたり、ドラムを叩いたり。

多くの人がやっていますよね?

これ、よくないです(笑)
曲に合わせることが間違いとはいいませんが、練習としてはあまりススメしません

なぜか?

それは、自己満足で終わるから

詳しく解説します。

そもそも演奏とは

演奏とはなんでしょう?
色々あります。

アコギで一人で弾き語り、ユニットバンドオーケストラ

演奏とは「人に聴かせるもの」なんですが
それと同じくらい大事なのが「人と合わせること」

人と合わせることは
人の音を聞くこと」です。

一人で弾き語り、は除くとして。

広い意味でPOPSというか、多くの人に聞かれている音楽はいわゆるバンド形態ですね。

ドラムがあって、ベース、ギター、鍵盤などが入っています。

それぞれのパートは自分以外の音も聞きながら演奏しています。(一定以上のレベルの人なら)

そして単に聞くだけでなく、聞いて「反応」をしています。
弾き方を変えているんです。

フレーズ自体を変えたり、絶妙な間だったり、音量的なものだったり
お互いがお互いに影響しあっているわけです。

互いに影響しあうわけだから、一人よがりなものは演奏とは呼べません

曲に合わせるとどうなるか

演奏とは人の音を聞いて反応するもの。
じゃ、既存の曲に合わせるとどうなるか。

曲に合わせるときに「ギターはこういうフレーズ」とか「ドラムは今こんな感じ」とか意識しながら聞いていますか?

聞いていないでしょ(笑)

せいぜい遅れないようにテンポにあわせて、「今Aメロー」とか「今サビかー」みたいに
構成把握のためになんとなく聞いているだけだと思います。

ということはクリック(メトロノーム)に合わせて弾いているのと大差ないわけです。

「自分以外の音を聞いて反応する」という作業が抜け落ちています。
もちろん、聞いて反応しながらテンポの修正はやるにしても。

特にマズイのが、元の音源どおりに自分が弾こうとしているときです。

コードでジャカジャカストロークしているものに、同じようなストロークを当てる。
スコアや耳コピなどで覚えたギターソロをそのまま当てる。

これをやると「弾けている気分」を味わえます。
それだけです。

多少ミスしようが、弾けてなかろうが弾けたような気になるわけです。
なぜなら元の音源がずっと鳴っているから。

自分がミスっても元の音源の正しい音が聞こえてくるので、
自分のミスに気がつかない、または気にならない
という状態に陥ります。

これでは上達なんかしませんよね。

どうするか

やっぱり曲に合わせて弾きたいでしょう。曲に合わせて意味のある練習方法は2つ

  • 元の通りに弾かないこと
  • マイナスワンに当てること

元の音と自分の音が重なると弾けたような気になる、というわけなので元の音と違うことをする
またはマイナスワンの音源で練習する

マイナスワンとは文字通り、あるパートを抜いた音源です。

ドラムだけを抜いた、ベースだけを抜いた、アコギだけを抜いた、など。

当然、自分のパートを抜いたものを使います。

ただこれは
DTMのソフトアプリなどがないと、なかなか難しいですね。

と、なるとやはり元の曲に当てつつ、違うフレーズを弾くか

同じフレーズを弾くなら、意地でも元の音を意識しないことです(笑)

ただし、自分のパート以外の音は聞く。

む、難しい・・・

心理的な問題

元の通りに弾いてしまうというのは、初めは誰しもが通る道だとは思います。
僕もかつてはそうでした。

元の通りに弾ける(弾けた気になる)ことで、達成感充実感を味わえるからです。

また、好きなアーティストに一歩近いたような気にもなります。

しかし、そんなもの意味がありません(笑)

好きなアーティストの奏法を完コピ(と本人は思っている)したり
そのアーティスト全く同じ機材を揃えたりするのも同様です。

そんなことをしたって
そのアーティストにはなれません。

自分はどこまでいっても自分なんです。

誰かを真似することは危険」でも書きましたが
ただの真似で終わって安心してしまうのはいけません。

真似をするなら、何かを学べる真似じゃないと。

最後に

というわけで、曲に合わせるときはできるだけ
自分が弾くパートの音に全く同じものをかぶせないことが大事です。

塗り絵は自分で色を塗るから面白いんでしょ?
元から塗ってあるところに全く同じ色を塗っても面白くありません。

字の練習だって、お手本をなぞるばかりでは上達しません。
お手本のないところに自分で書いてはじめて上達するわけです。

弾いている気分を味わうだけ、から脱却したいのなら
違うフレーズを当てる練習をしましょう。

元の曲どおりに弾こうとする人は、弾くことに精一杯で自分の音が聞けていません。

自分以外の音を聞こうとすると、不思議と自分の音もしっかり聞こえてくるものです★

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