コードの成り立ち その2

前回「コードの成り立ち ~意味から考える~」からの続きです。

前回は
●メジャーコード
●マイナーコード
の構成を確認しました。どちらも基本の3和音ですね。

今回は4和音のものを解説します。
他の3和音もあるのですが、使用頻度を考慮してこちらから攻めていきます。

セブンスコード

基本の3和音はどちらも1・3・5番目の音を使っていました。3度の長短はありますが。

これに加え、7番目の音も使ったものがセブンスコードです。
長短どちらかの7番目の音を使っているので「セブンス」です。

  • ドミナントセブンスコード
  • マイナーセブンスコード
  • メジャーセブンスコード
  • メジャーマイナーセブンスコード

とあります。

え、4種類?メジャーマイナー?
まぁまぁ焦らずに(笑)順を追って解説します。

セブンスコード系は何かと混乱しやすいので、しっかり覚えていきましょう。

ドミナントセブンスコード

一般的に、C7やG7などアルファベットの横に「7」と書かれたコードをセブンスコードと言うことが多いですが
正確にはドミナントセブンスコードといいます。

ドミナントとは。支配的、優勢 といった意味があります。
マーケティングに携わる方は「ドミナント戦略」など聞いたことがあるかと思います。

度数の場合のドミナントは、日本語で「属音」と言います。
属している。支配されている。

じゃ、なにがどう支配されているのかというと・・・強進行とかトライトーンとか、ややこしい話になるのでまた別の回に(笑)
とりあえずそういう名称だということだけ覚えてください。

ドミナントセブンスコードの構成音は1度(ルート)、長3度、5度、短7度となります。
つまりメジャーコードに短7度を加えたコードです。
C(ド)のドミナントセブンスコードならば「C・E・G・B♭(ド・ミ・ソ・シ♭)」です。

明るい響きですが、メジャーコードの明るさに比べるとやや濁ったような、
爽やかに欠ける明るさです。

ざーっくり言うならば、このドミナントセブンスコードと前回やったメジャーコード、マイナーコード。この3種類だけで、ロックやポップスのほとんどの曲を弾くことが可能です。
ざーっくりですよ、ざっくり。

弾くことが可能と言っても、完コピという意味ではありません。
コードとは“解釈”、つまり元のコードの代わりに別のコードを当てはめることができる、ということなのでこの3種類さえ知っていればそれなりに原曲に近い雰囲気をかもしだせる、という意味です。

この3種類だけ覚えたらOKということではありませんよ、あしからず。

マイナーセブンスコード

マイナーセブンスコードの構成音は1度(ルート)、短3度、5度、短7度となります。
マイナーコードに短7度を加えたコード。
C(ド)のマイナーセブンスコードならば「C・E♭・G・B♭(ド・ミ♭・ソ・シ♭)」です。

マイナーコード同様、暗い響きですがマイナーコードに比べるとやや甘い暗さというかどんより暗いというよりも、ちょっぴり寂しいという感じでしょうか。

このへんね、けっこう重要なんですよ。たった一音のズレ、または有る無しでコードの雰囲気が変わります。
コードの響きに対する感覚は曲を作ったりコピーしたりするうえで大事な要素です。

メジャーセブンスコード

続いてメジャーセブンスです。

メジャーセブンスコードの構成音は1度(ルート)、長3度、5度、長7度となります。
C(ド)のメジャーセブンスコードならば「C・E・G・B(ド・ミ・ソ・シ)」です。
短7度ではなく長7度です。

土台がメジャーコードなので明るい響きですが、メジャーコードに比べるとやや淡い感じ。
甘酸っぱいというか、初恋のような(笑)オシャレな感じです。

ところで皆さん気がつきましたか?
メジャーセブンスコードの「メジャー」とは7度の部分が長(メジャー)という意味です。

おっと混乱してきましたね〜一旦、整理しましょう。

メジャーコードに短7度を加えたものがドミナントセブンスコード。
マイナーコード短7度を加えたものがマイナーセブンスコード。
メジャーコードに長7度を加えたものがメジャーセブンスコード。

色分けするとわかりやすいかと思います。
メジャーとかマイナーとかの単語がかかっている場所が違いますね。

メジャーコードと言った場合のメジャーは「長3度」にかかっている単語です。
メジャーセブンスコードと言った場合のメジャーは「長7度」にかかっている単語です。
ここを混同しないようにしてください。

メジャーセブンスコードは
メジャーメジャーセブンス・コード(メジャーコードに・長7度を加えた・コード)
ということですが、長くなるので最初のメジャーをカットしてメジャーセブンスコード、と言っているわけです。
では最後にマイナーメジャーセブンスコードを確認します。

マイナーメジャーセブンスコード

上記のメジャーセブンスコードの項目を理解していればマイナーメジャーセブンスコードがどういうものなのか想像がつくでしょう。

マイナーメジャーセブンスコードの構成音は1度(ルート)、短3度、5度、長7度となります。
C(ド)のマイナーメジャーセブンスコードならば「C・E♭・G・B(ド・ミ♭・ソ・シ)」です。

マイナーメジャーセブンス・コード(マイナーコードに・長7度を加えた・コード)ということですね。

これはマイナーなのでもちろん暗い響きです。
暗いし、なんか怖い。

このコード単体だと不安定でなかなか成立させにくいのでコードとコードをスムーズに繋ぐためのパッシングコード(経過和音)として使われることが多いです。

単体で鳴らしっぱなしだと不快な響きですが、ある法則にのっとってコードとコードの間にこれを一瞬入れてやるとカッコ良くなります。

もちろん、このコード一発で曲が作れないわけではないです。一般ウケはしないだろうけど(笑)

まとめ

4種類のセブンスコードについて解説しましたが、いかがでしょう?
なかなかややこしいですね。

そして、もう一つ注意点というかややこしい落とし穴があります。
度数を口頭で説明する場合、「○度」と日本語で言うよりは「セカンド」「サード」など、英語で言うことが多いです。人によるけど。

長3度はシンプルに「サード」だったり「メジャーサード」
短3度は「マイナーサード」と言います。

そして、度数を言う場合のセブンスとは長7度のことです。(メジャー)セブンスというわけです。
短7度のときはマイナーセブンスといいます。

ところがセブンスコードと言う場合は(ドミナント)セブンスコードというわけです。つまり短7度がついている。

このへんが非常にややこしいです。
慣れている人は会話の流れですぐに判別できますが、慣れていない人はすぐに混乱します。

譜面の書き方とかも人によってバラバラだからね。プロでも。
昔、現場でよく混乱していました(笑)

こう言う場合もある、こう書く場合もある、という選択肢をいくつも知っておくのがベストです★
コードの成り立ち その3」に続きます。

コメント