最近はホントに多いですね
イヤホンやヘッドホンをしたまま歩いている人。
もうね、正直アホかと。
ハンズフリーで電話しながら
仕事の話を大声でしているやつが一番アホだとは思いますが(笑)
それに次ぐ愚かな行為だと個人的には思っています。
いろいろ損していますよ?
人は思った以上に聴覚情報に頼っているからです。
意識と無意識の情報量
人間には知能があります。
自然界で一番賢い?と思われています。
だからほとんどの人は自分で考えて、つまり
自ら意識して色々な行動をとっている、と思いがちです。
そう、思いがちなんです。
正しくはありません。
人間は意識下よりも
無意識下の情報の方が遥かに多いんです。
脳ってやつは凄い臓器でね
24時間フル稼動で膨大な情報を処理しているんですよ。
目から、耳から、口から、皮膚から。
全身のセンサーから入力された膨大な情報をです。
ところが、情報量が多すぎると脳への負荷が大きいので
必要なもの・必要と思われるものだけを「意識下」へ送っています。

残りの情報は自動処理、つまり
意識には登らず脳の判断で最終的に捨てられます。
例えば、目からの情報。
スマホや本、目の前にいる相手など
何かに集中していたとしても、
いわゆる周辺視野というやつで
その対象以外も見えてはいますよね?
見えてはいますよね?
ところが
その対象以外の細かい情報までは意識に登ってきません。
見えているということは脳には情報が入力されている
にもかかわらずです。
あなたが街中を歩いていて
ユニクロに真っ直ぐ向かっているとします。(赤丸部分)

このとき
左手前にマスク姿の女性が二人歩いているなーとか
右上側にあるサロンパスの看板は緑と白だなーとか
左上側にあるビルは上からしゃぶしゃぶ・コンタクト・ファミレス・英会話教室だなーとか
いちいち思わんでしょ?!
あなたにとって必要な情報を、あなたの脳が自動的に選択しているわけです。
見えてはいても
必要か必要でないかはその時の状況次第ってこと。
耳の場合はどうか
では、耳はどうなんでしょう?
耳も目と同様に、いや目以上に情報を入力しています。
なぜなら目は情報を遮断することができるからです。
そう、睡眠ですね。
まぶたを開けたまま寝る人はおらんでしょう(笑)
ところが耳は
耳栓でもしない限り穴を塞ぐことはできません。
塞いだところで多少の音は聞こえます。
なぜなら音の正体は振動だから。
(音とは何か)
視覚情報は光です。
暗くなったりまぶたを閉じれば遮断可能です。
でも聴覚情報は振動なので
耳栓をしたところで、例えば寝返りをうったときの摩擦音などは聞こえます。
完全には遮断できない。
つまり24時間体制で情報を入力していることになります。
24時間ひっきりなしに入ってくる情報を
全て「意識下」に送っていたら・・・
おちおち寝ていられません。
だから耳は
目以上に情報を取捨選択しているんです。
具体的に耳は何を聞いているか
では耳は普段何を聞いているんでしょう?
人との会話
テレビやラジオ
音楽
あなたは色々聞いていますよね。
“聞こえて”います。
これはあなたの意識に上っている情報です。
意識に上っていない情報は、
誰かの足音
車の近づく音
物が落ちるような音
何かの破壊音
不自然な静寂
など。
何か自分の危険に繋がりかねないような音。
これらは意識せずとも常に聞いています。
プリ・アテンティブ処理と言われますね。
前もって注意しているということです。
起きている間に入ってくる聴覚情報のうち
意識に上るのは最大でも5%ほどといわれています。
5%ですよ?
残りの95%は“意識上では”聞こえていないんです。
この95%でもって
身に危険がせまっているかどうかを監視している。
「車の音とか足音とか聞こえるじゃん」
って思う人もいるでしょう。
それは意識に上ったあとの話。
意識に上る前から
「車の音がしないか?」
「誰かが近づいてこないか?」
と脳は常に注意を向けているんです。
イヤホン/ヘッドホン歩きをすると
もう何が言いたいかわかるでしょう。
イヤホンやヘッドホンをしながら歩いていると
その95%の監視ができないわけですよ。
え?
目で見ているから大丈夫?
目は前にしかついてないでしょうが。
耳は後ろからの音もキャッチしますよね。
しかも無意識に
95%の音を監視している。
イヤホンやヘッドホンをすると
周囲の音(95%)を監視できない状態になる。
さらに、意識できる残りの5%は
イヤホンで聞いているものに気をとられる。
これでは
ジャングルの中を何の装備もなく素っ裸で歩いているようなものです。

ね?
危なくてしゃーないよね(笑)
ちなみに脳はマルチタスクは苦手だとされています。
マルチタスクってのは複数の作業を並行して行うこと。
音楽を聞きながら家事をするとか
音声学習を聞きながら移動するとか、
そもそもがむいていないんです。
あなたがバカなんじゃありません。
不器用なのでもありません。
人間の脳の仕組みがそうなっているんです。
他にもある
情報のキャッチが阻害されるだけではありません。
使用時間や音量にもよりますが、
長いことイヤホンやヘッドホンをしていると
耳の中にカビが生えたり、難聴になったりします。
耳カビ(外耳道真菌症)
音響性難聴
というやつです。
使用時間や音量に充分に注意を払っている
という人のほうが少ないのではないでしょうか。
一度ハメると
ついつい長くなっちゃうって人が多いでしょう。
最初は小さな音でも
だんだん慣れてきて物足りなくなって音量を上げたりとかね。
最後に
僕だって音楽をやっている身ですからね
移動しながら音楽を聞きたいとか思いますよ。
気持ちはよーくわかります。
でもあまりにもデメリットのほうがでかすぎるでしょう。
せっかく好きな音楽聞いたり
音声学習なんかで自分を向上させようと思っても、
身に危険が及ぶ確率が高くなるなら
やめがほうがマシです。
おとなしく家で、または
移動をしない状態でイヤホンやヘッドホンを使用しましょう。
先日、電車で横に座っていたジイサンがいきなり、
「あぁ、ちくしょう!!」
って、なかなかのデカい声で叫んだんですよ。
競馬を聞いていたらしい・・・
ほら、イヤホンするとロクなことがないでしょう(笑)



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