ミュージシャンの完璧主義は厄介

こだわりの強い人がいます。

自分自身でも苦しかったり大変だったり、疲弊してしまう人です。
いわゆる完璧主義者

どこの業界にもいるんでしょうが、ミュージシャンの完璧主義はちょっと大変です。

周りが迷惑します(笑)

完璧主義とは

完璧主義とはどんな状態でしょうか?

何事にも求めるレベルが高く、自分に厳しく、他人にも厳しく、周りの評価気にし、万全を期するまで納得できず

傍から見れば万全のように思われても、本人にしてみたら不完全で不安でしょうがない

というような状態ですね。

仕事をしっかりこなす、責任感がある、
ということでもあるので

職業によっては非常に重宝されるというか

いわゆる「適材適所」でしっかりハマれば、大いに活躍・貢献ができる人です。

しかし、あまり度をこえた完璧主義は、ある種の精神疾患ととらえられることもあります。

プロとその周辺

ミュージシャンというのは特殊な職業です。

一人でもやれそうに見えて、実は一人ではなかなか仕事が成立しません。

例えば、とあるプロのシンガーソングライターがいるとします。
自身の作詞・作曲で、アコギ一本で弾き語りをするタイプのミュージシャンと仮定しましょう。

こういうタイプだと一人でやっていけそうですが、現実問題としてはかなり無理があります。

プロのミュージシャンである以上、ほとんどの人が作品を発表したり、人前で演奏したりしますよね。

アマチュアの頃はまだいいんですよ。

音源なんかも自主制作だったり、路上で弾き語りをしたり、と
色んなスタッフさんと関係を築く必要性はほとんどありません。

ところが、プロになると関わる人が段違いに増えます。

まず音源制作の段階で、レコーディングのプロデューサーディレクターエンジニア、その他アシスタントスタッフ営業(プロモーション)に関わってくれる人などがいます。

ライブをやるとなると、演奏をするサポートミュージシャンステージ裏のスタッフ

PAさんや照明、その他会場を手配してくれる人
設営の業者さんだったり当日のスタッフだったり。

もう数えきれない人たちがそのアーティストのために仕事に携わることになります。

設営業者や当日の会場スタッフとは直接関わることはないとしても、
ちらっと見かけたときの挨拶とか、ライブ中のMCなんかで謝意を伝えたりとか

そういうことができるアーティストに対しては好印象でしょう。

直接関わっていないように見えても、好印象を持たれることで「次」につながるかもしれません。

そういう意味ではその辺の人たちもないがしろにしない方が良いです。

というわけでプロのミュージシャンである以上、一人で何かを完遂することはできません。

周りのとばっちり

アーティストによっては周辺のスタッフと非常に近しい関係になる人もいます。

何年も同じメンバーでツアーを周っている、とか
専属のPA・エンジニアが付いている、とか。

そしてアーティスト本人が異常なほど完璧主義者でちょっとアツめの人の場合、
その自分のアツさを周りに対しても要求することがあります。

ドキュメンタリーとか秘蔵映像系で
リハーサル時に周りのスタッフに怒鳴り散らかすような人を見たことないですか?

アレですよ。
誰とは言いませんが(笑)

「みんなで一つのステージを作りあげるんだろう!」とか
「プロ意識をもって、もっと仕事に魂こめろよ!」とか

まぁ、一見正論というか至極真っ当なことを言うんですが

現場の人間全員が同じ熱量をもって仕事をすることなどありえません

もちろん極端に手を抜いたり、いい加減なことばっかりやるのは良くないですが

だからといってアーティスト本人と同じ熱さを求められてもね、っていう。

僕の勝手な憶測ですが、こういうタイプの人たちって

仲間うちでバーベキューとかやっているときに
肉の焼き方とかでどうこう言ってきそうな気がして嫌いです(笑)

他の職業ならどうか

他の職業で完璧主義はどうでしょう。

画家彫刻家陶芸家小説家などは一人でも成立しやすいです。

もちろん出版社の人バイヤーなど、関係者との関わりはありますが
ミュージシャンほどの規模ではないでしょう。

会社組織だとポジションによります。
上司だと暑苦しいし、部下だと扱いにくかったり。

でも組織である以上、ある程度妥協しなければいけないので
その効果というか、とばっちり加減は薄まります。

経営者が完璧主義だと、おそらく周りがついていけずにその会社はダメになるので問題ないでしょう(笑)

ミュージシャンってある意味会社のトップと同じ立ち位置です。

といっても偉いとかって意味ではないんですが。
一番花形というか、ステージ上では「主役」なので。

だから会社と同じで、トップ(主役のミュージシャン)が完璧主義だと
周りがついていけなかったりします。

最後に

どのタイミングで作品を発表するのか、が一番の問題なのかもしれません。

同じクリエイターでも、
完成したものを発表する画家や彫刻家

リアルタイムで披露するミュージシャンや舞台役者とでは

その瞬間にかける熱意と周りの人に対する期待も変わってくるでしょう。

ステージ関係のお仕事をされている方々は本当に大変だと思います。

だって作品に思い入れがないのに高い完成度を求められるんだからね。

僕は気楽にステージに立つタイプなので、売れたとしても
周りの人は心配無用ですよ(笑)

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