ギタリストの時代は終わり

最近の若者は(笑)

ギターソロを飛ばして聞くらしいです。

なんならイントロも飛ばすとか。
いわゆる「コスパ」「タイパ」というやつで。

なんでもかんでも効率よく、効率よく。
映画も1.5倍速とからしく。

映画を1.5倍で観てどうすんねんとは思いますが、ギターソロを飛ばすというのはわからんでもないです(笑)

僕はギタリストですが、昔から「ギターソロ不要論者」でした。

なぜか?

そもそもギターってメインの楽器ではないからです。
詳しく見ていきましょう。

ギターの立ち位置

ギターの歴史」でも書きましたが、ギターってそもそもが伴奏楽器です。
長い間、目立たない楽器という位置づけでした。

アンプもなかった時代、管楽器メインだった時代に
ギターの生音でそれらに勝てるわけがありません。

主役は管楽器、ギターは伴奏
それが普通だったんです。

ところが1940年代からギターアンプが登場し、ギターもエレキギターとなり
管楽器に負けないほどの音量が出るようになりました。

1960年代ごろからジャズブルースでギタリストが注目されはじめ
同時期に歪ませるエフェクターが登場し、一気にギターという楽器が主役に踊りでました。

そして1980年代からいわゆる速弾き・バカテクギタリストが注目され
ギタリストは不動の地位を築きます。

少なくともこの頃は不動だと思われていたんです。

長すぎた栄光

ギターが主役となり、近年までその座を守り続けました。

そして、今まさに王座陥落です。
長いよね。

地方の祭りとか風習が少しずつ消えていくことに対し、
伝統を守らなければ!と憤慨する人がいますが

必要性を感じる人が少なくなれば淘汰されるのは当たり前

です。ギターソロもこれと同じでしょう。

ギターソロ命、ギターがメイン、と考えている頭が化石のおっさんギタリストたちは
「まだまだギターはいける!」なんて思っているようですが

必要とされていないんじゃ仕方ないじゃん(笑)

本来の役割に落ち着けばいいだけです。

生き残るために

かつて地球上に生息し、栄華を極めた恐竜たちは絶滅しました。

正確には“恐竜という形”では、姿を消しています。

しかし、サイズを変え形を変え、鳥類という形で生き残っています。

生物学界では、
生き残るものは強いものでも賢いものでもない。変化に対応できたものだ
と言われます。

まさにギターもそうでしょう。

運よく王者になれたからといって、王者のままいつづけようとするなら先はありません。

生き残る隙間を見つけていくしかないです。

レコーディングの話」でも書きましたが、幸い僕は隙間を見つけるのが得意なので。

隙間を見つけることができる人はギタリストとして生き残っていけるでしょう。
そもそもギターなんてそんなに目立っていい楽器じゃありません。

やや、専門的な話になりますが、
リズムやグルーヴといったところではドラムベースには勝てません。

いくらローをブーストさせたところでベースのローには勝てません。
だからといってハイをブーストしすぎるとボーカルの邪魔をします。

様々なエフェクターがありますが、所詮キーボードの音色の豊さには敵いません。

僕も昔、アコースティックシミュレーター(エレキの音をアコギっぽくするやつ)をかまして演奏したりしましたが

やはり本物のアコギの音ではありません。

当時はアコースティックシミュレーターの種類がほとんどなかったし、そもそも知名度もなかったので

エレキ弾いているのにアコギの音がする! って
観客がざわついているのを見て、優越感を得たりもしていました。

なんて薄っぺらいクソガキなんでしょう(笑)

ギターでベースっぽい音を出しても
アコギのボディを叩くなどしてパーカッシブなことをしても
エフェクターでシンセのような音を出しても

所詮は偽物です。

ギターはギターの役割だけを淡々とこなせばいいんだと思います。

ギターの役割

ではギターの役割とはなんでしょう?

何度も言うようにギターの仕事は隙間産業です。
つまり隙間を埋めること。

音の周波数の分布や広がりを「帯域」といいますが、
帯域の隙間をうまく埋めてやることです。

一番低いところにドラムのキック(足で踏むやつ)があり、
その上にベースの低音があります。

そしてベースの低音からボーカルまでの帯域を埋めるのがギターです。
それ以上のことはしなくてよろしい。

まぁ、曲によってはボーカルより上もカバーしたりはします。
あと男性ボーカルか女性ボーカルかによっても多少変わります。

  • 主旋律の邪魔をしない
  • 他のウワモノ(鍵盤やギターなど)の邪魔をしない
  • ベースの邪魔をしない
  • むやみにソロを弾かない

これさえ守っていれば、ギタリストとしてはかなり重宝されます。

もちろんバンドやによってはガンガン弾いてほしい、と言われることもあるでしょう。
そのときはガンガン弾けばいいだけです。

最後に

僕がバンド活動をバリバリしていた頃は、ギタリストはソロを弾くのが当たり前な時代でした。

ソロ必要?って態度をとろうもんなら
「消極的」とか
「ビビってんのかよー」とか
言われる始末。

当時から僕は、なんでもかんでもソロ不要と言っていたわけでありません。

自分なりに曲を解釈して
この曲には必要だろう、この曲には不要だろう
と判断していただけなんですが。

「御託はいいからとにかく弾け」って、オッサンたちが煽る煽る(笑)

そんなオッサンたちは今ギタリストとして生き残っているんだろうか。
どうでもいいけど。

ここまで色々述べましたが、余計なことするなってのはバンド内でのギターの話だよ。

“バンドの中のギタリスト”が目立つ時代は終わり、ってこと。

ギターのみで色々やっている素晴らしいギタリストは沢山います。

そして隙間産業だとしても、僕はやっぱりギターが好きです。

最後に
Kaki King(カーキ・キング)と
Erik Mongrain(エリック・モングレイン)を
紹介しておきます。

これでもかというくらいギターの魅力を引き出しているギタリストたちです★

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