作曲とアレンジの違い ~そもそも作曲って?~

あなたは作曲できますか?

もちろん僕はできます。
そしてあなたもできます。

作曲は誰でもできるんです。

「いやいや〜、作曲なんて難しいでしょ」
って思うかもしれませんが、

風呂場で鼻歌を歌っても
立派な作曲なんですよ。

だって
作曲とはメロディを作ることだから。

ただし、注意点があります。
詳しく見ていきましょう。

作曲とは

作詞作曲アレンジ(編曲)
とあります。

作詞:◯◯
作曲:⬜︎⬜︎
編曲:△△
って表記をよく見かけますよね。

作詞は歌詞を書くこと。
まぁこれはいいとして、

作曲とアレンジの違いがわからない人も多いでしょう。

そもそも作曲とは何か?
前述のとおり、メロディを作ることです。

曲の根幹はメロディです。

メロディだけできれば作曲です。

コードをつけたり
ドラムのリズムパターン、ベースのフレーズを考えたり
その他ホーンセクションや鍵盤、打楽器などの音を加えていくことを、

アレンジといいます。

つまり
メロディだけを考えることが作曲といい
メロディ以外を考えることがアレンジです。

作曲とアレンジの違い

ただしこれは
POPSなどのいわゆる大衆音楽というか、

カジュアルなものに適応されるルールです。

クラシックなどは違います。

クラシックにおいての作曲

作曲とはメロディを作ること。
ただし大衆音楽に限る、と。

では
クラシック音楽における作曲とは何を指すのか?

クラシックといえば
ベートーヴェンとかモーツァルトとか。

一般人とは一線を画す天才です。

こういう人たちって、夜な夜な頭をかかえながら
楽譜を一生懸命書いているイメージないですか?

複数パートの楽譜

ただ単にメロディだけを書いているのではありません。
色々複雑に入り組んだ楽譜を書いていますよね。

ベートーヴェンがウンウン悩みながら
メロディだけしか書いてなかったらなんかイヤだよね(笑)

クラシックでは
曲全体、つまりメロディ以外のパートも含めて作曲といいます。

ピアノ曲なら右手のメロディと左手の伴奏を。
交響曲ならオーケストラ全体を考えます。

クラシックでの作曲は
楽曲全体を構築する行為を指します。

ここが大衆音楽の「メロディだけで作曲」と違うところです。

線引きはどこか?

ここで一つ気になるのが
クラシックっぽいけどなんとなく大衆向けだよね
って曲。

どういう曲かというと
ジブリ作品の多くを手掛ける久石譲さん。

久石譲
久石譲

ゲーム、ドラゴンクエストシリーズの音楽でおなじみのすぎやまこういちさん。

すぎやまこういち
すぎやまこういち

こういった方々の、なんか交響曲っぽいし壮大な音楽だけど
映画とかゲーム用に作られた音楽。

これらの「作曲」の定義はどうなるか?

これは、本人がどこまでやっているか、によります。

メロディと主要なパートを考えて
残りの細かいアレンジは外部委託

これだったらメロディに対して作曲者を名乗れます。
委託された人は編曲者、つまりアレンジ担当(アレンジャー)です。

全てのパートを考える、これだと
曲全体の構成を含めて「作曲者」を名乗れます。

人によってメロディとハーモニーだけ、とか
ある程度、全体の骨格は作るとか
色々あるようで線引きはあいまいです。

ま、いずれにしてもメロディだけは外せないんですよ。
メロディはあって当たり前。

作曲者を名乗る以上は
最低でもメロディを考えていないといけない。

作曲の線引き比較

メロディを考えたうえで
POPSはそれだけで成立するし
クラシックは他のパートも考えることが多い。
一般的には。

映画音楽なんかは人それぞれ、って感じ。

作曲者の権利

じゃ作曲者の権利ってどうなっているのか?

楽曲の販売利益や
使用に対する許可など。

何かにつけて
作曲者が持っている著作権が“強い”イメージがあると思いますが、

必ずしもそうとは言えません。

作曲者と権利者は一致するとはかぎらないんです。

作曲者が権利を保持するかどうするかは
契約によります。

映画音楽やゲーム音楽は「買い切り・売り切り」
つまり依頼側が報酬を一回支払って終わりということが多いので、

クレジット上で「作曲者」となっていても
その後何年も印税ガッポリ、みたいなことではないらしいです。

「およげ!たいやきくん」を歌った子門真人さんは
「どうせヒットしないだろう」と思っていたので、レコーディング時に買取契約を結び
権利を手放されています。

子門真人
子門真人

よって「およげ!たいやきくん」は
475万枚、23億円以上の売り上げという空前の大ヒットになったにもかかわらず
子門さんに印税が入っていないのは有名な話です。
(この場合は著作ではなく歌唱印税

権利の保持って大事です・・・。

ちなみに音楽業界には著作権のほかに原盤権というものがあって
これは制作された音源(CD・レコード等)に対する権利です。

主に制作会社・レコード会社が持っていますね。

複製、配信、使用などに対しては原盤権の権利者の許可が必要になります。

カバー曲を出すときは、著作権の権利者の許可が必要です。
替え歌なんかも同様です。

つまりテレビCMで
①楽曲をそのまま使用する場合には原盤権の権利者
②歌詞の一部を商品名などに変更した替え歌を流す場合には著作権の権利者
それぞれ別の協議が必要になります。

ややこしい(笑)

最後に

作曲というと
何かすごいこととか、特殊な才能が必要で自分には到底できない、

みたいなイメージがある人も多かったでしょう。

なんのことはない、鼻歌でも充分作曲です。

だから冒頭で述べたように
あなたにも作曲ができるんです。

今日から心置きなく(?)
バンバン作曲してくださいね。

ただし、いい曲を作曲するには
特殊な才能と膨大な努力が必要です(笑)

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