残念なニュースが流れました。
僕の好きなバンドの一つである「すかんち」の初代キーボード担当、
ドクター田中こと田中尚人さんが、2019年10月に亡くなられたということです。
57歳という若さでした。
詳細が発表されていないので何が原因かはわかりませんが。
あんまりミュージシャンや有名人の訃報とかには驚かないタイプなんですが、今回はちょっとびっくりというか。ショックでしたねー。
すかんちとドクター田中氏を解説します。
バンド すかんち
「すかんち」は1982年大阪でRolly氏を中心とした三人で結成されました。
インディーズでアルバムを2枚制作したのち、1988年にオーディションに合格。
1990年にメジャーデビューしています。
ちなみにこのときのオーディションの同時合格者に
「島唄」がヒットしたTHE BOOMもいたそうで。
すかんち・・? 好かんち・・?
意味不明とも思われるバンド名の由来は、ファンの間では有名な話ですが
リハーサルスタジオのスタッフに「ち◯かすトリオ」と命名され
それをひっくり返したというものです(笑)
メインボーカル&ギターは前述のRolly氏。
こちらはバラエティ番組などにもよく出演されるので知っている人もいるでしょう。
ちなみにこの方、「どんなときも」の槇原敬之さんのいとこです。
インディーズのころの音源は槇原さんに手伝ってもらって自主制作しています。
逆に、槇原さんのデビュー前のオーディション用デモテープには、Rolly氏がギターで参加しています。
数々のヒットを飛ばし、テレビ番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」や「天才てれびくん」などのテーマ曲に使用されたりと、順調に活動を続けますが1996年に解散。
その後、2006年に一度復活。
2007年にも復活。
2010年にもまたまた復活し、その後活動は継続されます。
と言っても精力的にバリバリツアーをやったりとかではないようで。
Rolly氏もとあるライブにて、観客にむかって
「しょっちゅう演ってたら君たち来なくなるくせに〜」
とボヤいておりました(笑)
すかんちとドクター田中の魅力
すかんちの魅力といえばメンバー4人の個性的なキャラクターと楽曲の良さでしょう。
QueenやLed Zeppelinなどのブリティッシュロックを彷彿とさせるような、
というかパロディとも言えるくらいのモロパクリな
遊び心あふれる楽曲たちです。
それでいてボーカルメロディは歌謡曲を思わせるようなラインだったり。
ロックでポップで、ヘビーでキャッチーで。
その見た目からか、イロモノ扱いでふざけたバンドだと思われがちですが、バランスのとれた非常に良いバンドです。
「すかんち」はRolly氏以外のメンバーがボーカルを担当する楽曲が複数あるんですが
ドクター田中氏はそのミステリアスな雰囲気から繰り出されるハイトーンボイスが魅力。
見た目も声も中性的で、非常にステージ「映え」するプレイヤーです。
まぁ、ほかの三人も個性的すぎて「映え」るんだけど・・。
キーボードにおいては決してテクニカルなプレイではないですが、巧みな音色の使いわけと
楽曲にドンピシャな楽しいキャッチーなフレーズを弾くバイプレイヤー。
コーラスでもメインボーカルでも、もちろんキーボードでも
「すかんち」には欠かせないメンバーでした。
Rolly氏も自身のツイッターで
「すかんちにとってドクター田中は無くてはならぬトリックスターで、心から愛すべき奇妙な人でした。(中略)独特な美意識でドラマチックに人生を生き抜いた彼は永遠に皆の中で怪しい光を放ち続けるのです。」
と追悼されています。
最後に
1993年にドクター田中氏は脱退してしまうのですが、後任のキーボード担当、小川文明氏も2014年に亡くなっており、これで「すかんち」の正規メンバーによる演奏は聞くことができなくなってしまいました。
非常に残念です。
脱退理由としては不仲説などありがちな噂が飛び交いましたが、
脱退後もステージで共演しており、小川文明氏亡きあとはバンドに復帰されていたようで。
個人的には不仲ではないんじゃないかと感じております。
まぁ、不仲“だった”のかもしらんけど。
よくある音楽性の違いとかかもね。
ドクター田中氏は「すかんち」に入る前に「スキャンドール」というバンドで活動されていました。
「すかん」とか「スキャン」とか何かそういう響きに惹かれる人なんだろうか・・
スキャンドールのメンバーの方からも追悼コメントが寄せられたそうです。
ドクター田中というキーボーディストは、
沢山の方々に愛されたプレイヤーだったわけです。
最後に、ドクター田中氏がメインボーカルを務める、僕の好きな曲
「恋人はアンドロイド」を紹介しておきます。(3:15〜)
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