みなさん、ギターやベースをステージで弾くときはストラップをするでしょう。
立って演奏することが多いからね。アコギは座ってたりもするけど。
クラシックギターやウッドベースはここでは除外します。
このストラップの長さというのは非常に重要なんですが、なぜか気にしていない人が多いです。
これは、個人的には70年代のロックギタリストたちのせいだと思っています(笑)
ストラップの長さを意識しないとどうなるか?
ズバリ、下手くそになります。
どういうことか? なぜそう言えるのか?
見ていきましょう。
ストラップとは
ストラップとは「ひも」「帯」を意味します。
文字通りギターやベースを肩から吊るす(かつぐ?)ための道具です。
右ききの場合は左肩から掛けます。

昔、ガラケーにつけるのも流行りましたね。
年がバレる(笑)
なぜストラップをつけるのかというと、ガラケーは失くさないようにとかデコレーションの意味合いがありましたが
楽器の場合は“立って弾くため”です。座って弾くとしても落とさないようにするため、安定させるため、です。
一般的に、右ききの場合は左肩から斜めに掛けます。
エレキギターはこの赤丸部分にピンがついているので、必然的にそうなると思うんですが。


なかには違う掛けかたをする人もいるんですよ(笑)
Albert Collins(アルバート・コリンズ)!出ました「テキサス掛け」!

テキサス掛けとは、右ききなのに右肩にストラップを掛ける方法です。女性がハンドバックを掛けるように。
アメリカ南部テキサス出身のブルースギタリストに多い掛けかたらしいのでそう呼ばれています。
正式名称ではないと思いますが。
アルバート・コリンズの他にはT-Bone Walker(T-ボーン・ウォーカー)やFreddie King(フレディ・キング)なんかもそうですね。
これねー、僕も何度も試してみました。
ボディの位置を身体の右斜めというか、ほぼ右側に持ってくると違和感はなくなります。特にローポジションを押さえるときの左手はテキサス掛けのほうが楽になりますね。ネックに対して垂直に左手を入れるとするなら角度的にギターが右側にきたほうがいいわけです。一般的な構え方をすると、左手をある程度斜めに入れることになるので。
ただし、なで肩の人には向いていないと思います。そして僕もなで肩なので向いていません(笑)
ちなみに、アコギはボディエンドとネックの付け根にピンがあります。ピンではなく、ヘッドに紐を巻き付けるタイプもあります。
このヘッドに紐を巻きつけるタイプでは、テキサス掛けはやはり向いてないでしょう。
ストラップの長さを意識しないとどうなる?
ストラップは立って弾くときのもの・安定させるためのものです。
と言ってもどんな長さでもいいわけではなくて、しっかり調整する必要があります。
ギターやベースは構える位置が低くなればなるほど、つまりストラップが長くなればなるほど
指板を押さえる左手がキツくなります。
指が開きにくくなり自由度が奪われ、手首にも負担がかかります。
当たり前なんですが、これをわかっていない人が多いです。特に若いバンドマンなんかは。
「見た目がかっこいいから」とストラップをやたら長くし、ギターやベースを低い位置で構えます。
それによって技術やテクニックが制限されるにもかかわらず。
じゃ聞くけどね。そもそもの話なんだけど
低く構えるとかっこいいの?(笑)
弾きやすい高めの位置で構えて技術に磨きをかけるほうが、個人的にはかっこいいと思うんですが。
ストラップが長くて下手くそなプレイヤーは
顔だけ良くて演技がダイコンな役者と一緒です(笑)
魅力がないとは言いません。ヘタウマって言葉もあるからね。
たいした技術がなくても人を惹きつける人は世の中にいます。
でもそんなの一握りだけでしょ?
だったら技術を磨きましょうよ、っていう話。
ストラップの長さの目安
ストラップは適切な長さにするほうがいいとして。
適切な長さとはどれくらいなんでしょう。
もちろん個人差がありますが。
目安は、座ったときと同じ状態です。
僕と生徒さんとの間でこういうやりとりがよくあります。
生徒「先生、家ではちゃんと弾けるのにステージ上だと思うように弾けないんです」
僕「家でどういう体勢で練習していますか?」
生徒「座っています」
僕「じゃストラップの長さです(笑)」
わかりますか?
バンドマンの生徒さんは、リハーサルスタジオやステージで弾くときに
家で弾くときと違う感触を味わっていることが多いんです。
これはストラップが長すぎる、つまり家で練習しているときよりも弾きにくい状態にしてステージで弾いているということです。そりゃ上手く弾けんわ。
潔くストラップを短くしましょう。
座って弾くときに、ほとんどの人は右足に乗せますよね。
そのときの位置を覚えます。ギターやベースが自分の胸とかお腹に当たる位置を。
立ったときもその位置にくるようにストラップの長さを調整するんです。


こうすれば座って弾こうが立って弾こうが、楽器に対する腕の位置や角度が保たれます。
いつもと同じ条件で弾けるというわけです。
最後に
いつもと同じ条件で弾くというのは非常に大事なことです。
全てのことに当てはまります。レッスンでもお伝えしています。
弾く度に状態・条件が変わっていたら、いつまで経っても上達しません。
ありとあらゆるシチュエーションを想定することは大事ですが、それは本質的なところがしっかりしたうえでの話です。
いつの日か、ストラップの長いプレイヤーがカッコ悪いという風潮ができることを
こっそり願っています(笑)