あなた随分マニアックですねー
だって、これ読んでるんだもんね(笑)
はい、X JAPANの問題曲
「Stab Me In The Back」についてです。(発表当時はX)
もうこれは問題曲といっていいですよ。
とてつもなく速く
とてつもなく難しく
とてつもなく変な構成の
超問題児。
僕は、XおよびX JAPAN好きですが
これにはちょっと賛同しかねます。
どう考えても変です。
X、X JAPANとは
X(現:X JAPAN)とは
言わずとしれた日本のメタルバンドですね。
1982年にドラムのYOSHIKI、ボーカルのTOSHIを中心に結成。
ギターにHIDE、PATA。ベースにTAIJIと
才能と個性の塊みたいなバンドです。
(ロックの神様 ~赤い髪のアカガミ様~)

1989年メジャーデビュー。
金髪逆立て&メイク、ド派手な衣装に
攻撃的なサウンドで日本のロックシーンを席巻。
1992年にXからX JAPANに改名し
1997年に一度解散。
あまりメタル方面に詳しくない人でも
このバンド名は知っていることでしょう。
そんなX JAPAN黎明期の攻撃性を象徴するかのような曲が
Stab Me In The Backです。
もう「Stab Me〜」ってタイトルからしてマズいよね。
いや他にもマズいのは色々あるけどさ(笑)
「I’ll〜」とか「Standing〜」とか。
中学生ヤンキーかよ、っていう。
一方で「Endless Rain」とか「Say Anything」とか
美しいタイトルの超・良曲バラードもあります。
そんな中、Stab Me In The Backは
X史上、最速のナンバーです。
なんとBPM=200。
メンバーもみんな苦労したみたいで。
レコーディング当初はもう少し速い予定だったけど
仮録りしてみて「こんなん無理だろ」ってなったらしく、テンポを少し落としたんだとか。
テンポ落としてこれかいな
原曲どんだけ速いねん(笑)
楽曲の戦術か
Xの曲はというか、YOSHIKI氏の作る曲は
上がったり下がったりが多い印象です。
つまり楽曲のテンション的な意味で。
人は無意識のうちに次の展開を予想しながら
少なくともテンション上がってきたらこのまま上がるやろう、と思いながら聞いています。
ところが
上がると見せかけて下がる、んでまた上がって、また下がる
みたいな構成が目立ちます。
意外性や裏切りがあったほうが楽しめるんですが
あんまりやりすぎるとイライラするよね(笑)
大体YOSHIKI氏は
思わせぶりなことをして散々ファンを焦らす「焦らし屋」です。
だからアルバムを出す出すといって
何年も出さなかったりとかでしょ?
重大発表があるといっても大したことなかったり。
かまってちゃんの焦らし屋。
曲も「いくぞ、いくぞ、テンションあげるぞ!でも上げる前にいったん下げるぞ!」
っていう上げ上げ詐欺な曲になっています。
Silent Jealousyなんかも上がったり下がったりが多いんですが(3:58〜)
こちらは良い感じにムラムラ?させつつ
ギターソロで一気にドーンといく感じがあって非常にいいです。
しかしStab〜はなんかもう
「思いついたこと全部つめこみました感」がすごくて。
カレーと寿司とスキヤキと
美味いもん詰めこんだら絶対美味いやろー!
そうでもなかったわー!!みたいな。
構成の分析
というわけでStab〜の構成をサラッと分析してみましょう。
上がったり下がったり
取ってつけたようなツギハギだらけの曲です。
オリジナルのパケ音源が見当たらなかったので
「気合いさん直樹チャンネル」さんの動画をお借りします。
この方のチャンネルはちょこちょこ見させてもらってるんですが
X愛がある方ですね。
毎度毎度、素晴らしい演奏です。
キツそうだけど(笑)
さて、冒頭のギターリフ
めっちゃかっこいいですよね。
ここからは便宜的に
「リフA」「リフB」〜としていきます。
冒頭〜リフA
0:12〜はツーバスで(ドラムのバスドラムを両足で踏むこと)一気にテンションが上がります。
0:16〜リフB
いくぜー!と思ったら、おや?
0:21〜リフA
またきた!一安心
0:26〜リフB
え、またかいな
0:36〜リフC
ん〜なんか雰囲気が変わってきた。
これはこれでアリか。でも長いな・・・
0:55〜リフD
お、きたきた!・・・ってこんのかーい
1:00〜リフE
え〜なんじゃこりゃ。
方向性が違うやん。
曲のKeyまで変わったし。
1:09〜
ここからやっと歌入り。
冒頭のリフAからここに繋がんの・・?
というわけで
前半1分でもめまぐるしく、そして息苦しい展開です。
リフA〜Eのザッと5種類
しかもA、Bは2回ずつ繰り返しています。
なぜこうなった?
これ違和感なく聞ける人は、あまり音楽に詳しくない人です。
もちろん音楽においての表現は自由なんですが
あまりにもチグハグというかツギハギ感があって・・・
「加速」「失速」を繰り返します。
本当に取ってつけた曲だった
ここまでに紹介したStab Me In The Backは
1991年発表の「Jealousy」というアルバムに収録されています。
ところが遡ること4年、
1987年インディーズ時代に参加した
「SKULL THRASH ZONE Vol.1」という色んなバンドを集めた
オムニバスアルバムにもStab〜は収録されています。
つまりStab〜には
JealousyバージョンとSKULL〜バージョンとが存在するわけです。
このSKULL〜バージョンレコーディング時のメンバーは
YOSHIKI、TOSHI、TAIJI、そしてPATAがサポート
HIDEは未加入。
まだ完全なデビュー時メンバーではないんですね。
HIDEが加入後、Stab〜を録りなおす話が出て
アレンジした、というわけです。
聞き比べるとわかりますが
SKULL〜バージョンには、Jealousyバージョンの冒頭部分(リフA〜リフD)がありません。
リフEからいきなり始まります。
そしてここからは僕の推察ですが
おそらくHIDEが提案したんではなかろうか、と。
「イントロをもうちょっと長くしようぜ!」
「かっこいいギターリフを入れようぜ!」的な。
このへんの事情を詳しく知っている方、いらっしゃったらコメントください。
これねー、あきらかにギタリストが好むリフというか
一つ一つは弾いていて楽しいリフなんですよね。
それぞれのリフで別の曲ができるくらい。
だから、これをドラム&ピアノ担当のYOSHIKIが思いつくかというと
ちょっと疑問です。
TAIJIならギターもバリバリ弾けるんで可能性もなくはないですが
SKULLバージョンの時点でTAIJIはいた、でもHIDEが未加入ということを考えると、
HIDEが加入後にデビューして
少し落ち着いたころにHIDEのアイディアを採用しレコーディングし直した
と考えるのが自然でしょう。
違ったらごめんね(笑)
元々あった展開に
無理やり長めの前奏をつけちゃったから違和感の残る仕上がりになったんですね。
Keyも違うから余計に、取って付けた感があるというか
どうしようか迷いながらブレイク多めにいれて、なんとか歌入りまで繋げた印象です。
リフDは元のSKULL〜バージョンにも入っているので(1:06〜)
やはりイントロの0:55〜に後付けしたのがわかります。
最後に
一つの可能性として
「ライブ用にアレンジしたものをそのままレコーディングした」
というのが考えられます。
元の音源があっても
ライブでは盛り上げるように
また客と一体感を出せるように、
ちょっとアレンジ変えて煽ったりテンション下げたりってこともあるんですよ。
演出としてね。
だから“ライブバージョン”として考えれば、まぁアリかなとは思います。
ただ、スタジオパケ音源として聞いた場合には
やっぱり違和感があるんだよねー
既存のパーツだけを使って、個人的にスッキリするアレンジをしてみました。
切って貼っただけなんでフィルインとかの違和感は残るけど。
作業が雑でごめんね(笑)
リフA×2
リフC
リフBでブレイクして
歌入り
テンション的なところで言うと、
上げて
下げて
少し上げて
ブレイク後、歌入りで更に加速
っていう流れなので
元の上がったり下がったりを何回もやるよりはマシかなと。
あくまで個人の好みです。
リフDとリフEは曲中にも出てくるので
このあとのアレンジどうすんねん、って話だけど。
とりあえずイントロのみでアレンジするなら、ってことでご愛嬌。
元のアレンジに別パートを加えることがいかに難しいか
改めて考えさせられる曲でした。
当然、異論はあると思うので
こういうアレンジどう?とかあればコメントどうぞ★
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