好きなミュージシャンのスタイルに近づく方法

あなたは誰に憧れていますか?

「あんなカッコイイ演奏ができたら・・」
「自分もあの人みたいになりたい!」

など、それぞれ好きなミュージシャンに憧れていることでしょう。

好きなミュージシャンの真似をしすぎることはオススメしません
好きなミュージシャンの真似をすることは危険

が、あえて真似をするのであればどうするか

真似をしてOKな場合・真似をしてNGな場合、など。

解説していきます。

なぜ憧れるのか

あなたが有名ミュージシャンに憧れる理由、

それは単純にあなたより凄いから

なにが凄いかってのはどの切り口で判断するかにもよりますが
リズム感テクニックフレーズのセンスルックス立ち居振る舞い
などです。

まぁ大抵の場合、どこをどう切っても自分より高いレベルだと思わされます。

自分より高いレベルの技術を見せられて、かつ自分好みの曲調・ジャンルだったりすると
どハマりするわけです。

Falco(ファルコ)にハマった」でも書きましたが
レベルうんぬん関係なく、いきなりツボる場合もあります(笑)

んで、一度ハマるとある種の崇拝に近い形で
「この人みたいになりたい!」と思う人が一部出てきます。

なにを真似するのか

好きなミュージシャンがいると、だいたい真似したくなります。

では何を真似するのか。

一番は曲のコピーでしょう。

バンドスコアを買ったり、耳コピしたり
動画サイトなどでTAB情報を得たり。

とにかくその人の曲、その人が弾いているフレーズを弾いてみたくなります。

次に真似したくなるのが
その人の使用している機材です。

同じ機材を揃えたくなります。

なぜなら同じような音を出したいからです。

同じ機材を揃えたからといって同じ音が出せるわけではないんですが
なぜか本人のものと同じ機材を揃えようとする人がいます。

特にエフェクター系は復刻版とかは許されず
本人の持っている◯◯年式、みたいなところまでこだわります。

三番目は見た目です。

服装・髪型・ステージパフォーマンス・場合によってはメイクなど。

ありとあらゆることを真似て
とにかく本人に近づきたいんでしょう。

僕は誰にも憧れていないし
強烈に「自分は自分」って考えている奴なので
このへんの感覚が1mmも理解できません(笑)

自分以外の誰かになりたい意味がわからない。

解決策

多くの人が、憧れているミュージシャンの

  • 曲やフレーズ、アプローチを真似る
  • 使用機材を真似る
  • 立ち居振る舞いを真似る

ことになります。

これらを真似すること自体が悪いわけではありません。
問題はその姿勢というか考え方です。

真似をしてOKな場合は
何かの学びを得ようとするとき

真似をしてNGな場合は
上っ面の真似だけで学びがないとき

この違いは非常に大きな差となります。

個別に見ていきます。

曲やフレーズ

憧れているミュージシャンの曲やフレーズを真似る、コピーする場合。

初心者の頃は、譜面を見ながら弾けるようになるだけで精一杯かもしれません。
最初はそれでもいいんです。

ある程度経験を積んでレベルが上がってきたら、

なぜこのコード進行なんだろう
なぜこのコードに対してこのフレーズなんだろう
なぜこのフレーズを弾くのにここのポジションなんだろう

ということを考えながら取り組みます。

そして自分なりにでいいので答えを導き出します。

こういう雰囲気を出したいからこのコード進行なのでは」
このコードに対して◯度と⬜︎度の音を含むからこのフレーズなのでは」
「次のフレーズを考えたときにこっちのポジションの方がスムーズなのでは」
などです。

正解はわからなくていいんです。
それは真似したいミュージシャン本人しか知らないことだから。

使用機材

使用機材を真似る場合。

これはお金がかかることなのでなかなか難しいんですが
仮にミュージシャン本人と同じ機材を全て揃えることができるとしたら。

まず、一つ一つの性能をじっくり試します
スイッチ系統をとことんイジりまくる。

「このスイッチでこうなる」
「このツマミをイジるとこう変化する」
といった情報を膨大に集めます。

一つの機材をしっかり把握できたら、次の機材をイジります。

そうやって一つ一つとじっくり向き合って
最後に「本人と同じような音を出すには?」と考えます。

ある程度、本人の音と近いものが出せるようになってくると、

「こういう音が出したかったから」
「こういうニュアンス(効果)が欲しかったから」
この機材を使っているのだろう、とわかってきます。

もちろん正解は本人にしかわからないことですが。

「◯◯の機材セッティング大公開!」みたいな情報を鵜呑みにして
ただセッティングを真似ただけの音より、

自分で納得したうえで到達した音のほうが
はるかに意味があります。

そこに到達するまでの試行錯誤があなたにとっての学びになるからです。

立ち居振る舞い

演奏フォームも含めて
立ち居振る舞いを真似る場合には注意が必要です。

プロミュージシャンの映像を見てもうまくならない」の記事でも書いていますが
身体のサイズが違うので演奏フォームを安易に真似することは危険だからです。

ステージパフォーマンスだけなら真似てもいいんですよ。

かっこつけて弾く
楽しげに弾く
仁王立ちで弾く
色々なスタイルがあります。

自身のステージパフォーマンスに活かせると思うなら
どんどん真似しましょう。

でも演奏フォームは別です。

あなたの身体にあった演奏フォームを見つける必要があります

これだけは人真似を絶対にしないでください。
腱鞘炎などのケガにつながります。

ルーツを探る

  • 曲やフレーズを分析する
  • 機材をイジりたおす
  • ステージパフォーマンスを真似る

これができればかなり本人に近いスタイルにはなっているでしょう。

しかし決定的なことが抜けおちています。

それはルーツを探ること。

本人の出身とかご先祖とか、そういうことではなくてね(笑)

その人がどういう音楽を聞いてきたか、ということを深掘りしていくんです。

大昔にAというギタリストがいたとして。

Aを聞いてBというギタリストが育ち
さらに若い世代のCは、ABも聞いて育ちます。

同様にDは、ABCも聞いて学んでいくんです。

あなたが好きなミュージシャンがDだとしたら
AもBもCも掘り下げて聞いてみる必要があります。

そうすると
Dのこの曲のフレーズはBのあの曲に似ているな、とか
Dの得意なプレイはAのスタイルに似ているな、ってことが見えてきます。

ここまで知って初めて
Dというギタリストのスタイルがどういうものか理解できるんです。

最後に

あえて好きなミュージシャンの真似をするなら
ということで解説してきました。

上っ面だけの真似は何も生みません。
ただの自己満です。

好きなミュージシャンの真似を完璧にできたとしたら・・・
そこから先はきっと何もないでしょう。

プロ・アマ問わず
自分のスタイルを構築していくべきだと思います。

自分のスタイルを構築する過程で
好きなミュージシャンを真似て踏み台にする
くらいのスタンスでOKです。

あなたのスタイルは、あなたにしか出せませんよ★

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