ミュージシャンは色々な先輩ミュージシャンを通っていきます。
それによって様々なことを学びます。
だからといって
全ての諸先輩方(海外も含めて)を通るのは不可能です。
有名どころであっても全て網羅するのは至難の業です。
僕はB’zを全く通っていません。
嫌いとかではないけど
特に好きでもありません(笑)
なぜ、B’zを通らなかったか
自分なりに分析してみたいと思います。

通る、とは
冒頭からさらっと「通る」っていいましたけど
「通る」ってなに?と思う人もいるでしょう。
「通る」とは
聞く・コピーする・分析するなどのことです。
影響を受けるという見方もできますね。
そのミュージシャンの曲やフレーズを聞いて
リズム・音程・ニュアンス・音色など可能な限りコピーして
なにがどうなっているのかを分析したりします。
ただ、分析だけで終わるのではなく、
欲を言うなら、そこから
「自分だったらこう弾くのにな」っていう発展型までイメージすると尚良いです。
色々なものを沢山聞いて
色々なものを沢山コピーしたほうが
ミュージシャンとしての幅は当然広がります。
これはミュージシャンに限らず
役者、芸人、アスリート、小説家、画家など、
なにかを表現しようとしている人
なにかを極めようとしている人
にとっては絶対に必要な作業です。
「戦争と平和」で知られるロシアの文豪トルストイは
“創造は模倣から始まる”という言葉を残しています。
あのピカソだって
“優れた芸術家は真似をし、偉大な芸術家は盗む”と言っています。
通ることは大事なんです。
それだけで終わるとダメなんだけども。
(好きなミュージシャンの真似をすることは危険)
B’zを通らなかった理由
ミュージシャンとして成長するには
沢山の先輩方を通ることが大事。
先輩だけでなく、同世代でも後輩でも。
良いと思うものは貪欲に吸収する。
こうやって自身のレベルを高めていきます。
ではなぜ僕はB’zを通らなかったか?
単純に「良い」と思わなかったから
ということでしょう。
90年代に売れた曲のサビくらいは知っていますよ。
「ALONE」「ZERO」「いつかのメリークリスマス」「裸足の女神」
とかそのあたりね。
あ、「裸足の女神」はカセットテープに入っていたから
全部歌えるわ(笑)
冒頭でも述べましたが、別に嫌いとかではないです。
でも特にピンとくるものがなかったのも事実。
理想としてはですよ。
世界中の全てのミュージシャンを聞きこんで
徹底的に分析すればかなりの成長が期待できるわけですよ。
でも、あくまで理想です。
世界中の全てのミュージシャンを聞きこむってのは
物理的に無理でしょう。
だったらやっぱりある程度
ピンとくるものがないと。
全てを把握するのは不可能なので
どのミュージシャンを聞きこむのか取捨選択していく。
多少
苦手だな、なじみがないな、と感じるようなジャンル・音楽性でも、
ちょっとでも引っかかるものがあれば
試しに聞きこんでみて分析してみる。
これをやることで思わぬ収穫があったり
意外な方向に自分の可能性が広がったりします。
僕はB’zに関しては
「とりあえず聞きこんでみる」という選択すらなかった。
ピンとくるものがなかった、引っかかるものがなかった。
それだけです。
あと強いて言うなら
後輩ギタリストにすごくB’zが好きなやつがいて、
その彼がステージ上でやたら松本さんの真似をするうえに
あまり上手くないということもあり(笑)
なんとなく避けていた部分もあります。
よって僕は
B’zの松本さんのフレーズ・音色・機材・立ち居振る舞いなど
なにもかも全く通ってないし、影響を受けていません。(直接的には)
1つの疑問
ここで長年解決していない、そしておそらく今後も解決しないであろう
個人的な疑問を紹介しようと思います。
僕は20代の頃、バンド活動をしていました。
ライブもちょこちょこやっていました。
んで、いつも通りライブを終えてステージを降りたあと
別のバンドを見に来ていたお客さんから話しかけられたんです。
「さっきのステージめっちゃかっこよかったです!B’zの松本さんみたいでした!」と。
・・・はて??
「・・ん?え、俺がですか?」
と言ったかどうかは覚えてないですが、
一瞬とまどいました。
僕は、B’zの松本さんの要素はこれっぽっちもない
全くスタイルの違うギタリストです。
当時から。
「なにがそう見えたんだろう・・」
でもまぁ
「そういう印象を受ける人もいるだろう、所詮は個人の感想だし」
と、その日はそれ以上気にすることもなく終えました。
そしてまたしばらく経ったあるライブの日、
同じようにステージを降りたあと前回とは全く別のお客さんから声をかけられ、
「かっこいいっすね!B’zの松本さんに似てるっす!」
と言われました。
いやいや〜ウソでしょ〜
さすがに考えましたよ(笑)
どこがやねん、と。
1人ならね、まだわかるんですよ。
1人ならたまたまそういう感想をもつ人もいるだろうって思えるんだけど。
2人ですよ?
2人ってことは、それなりに何か松本さんを匂わせる要素があるわけでしょ?
ショックですよ、僕的には。
別に松本さんをディスってるわけではなくてね。
純粋に
そこ通ってないし真似しているつもりもないんですけど、っていう。
ラーメン作ったつもりで提供しているのに
客から「美味しいオムライスですね」って言われたら衝撃でしょう。
卵使ってるとかならまだしも
卵もライスもケチャップも使っていないのにオムライスって思われたら、
ラーメン作ってる側としては混乱します。
そんな状態です。
自分なりに“松本さんに似ているという印象”を与えた理由を探るんですが
全く思い浮かびません。
間接的な影響により
そんな雰囲気が出たとしか考えられません。
僕は、直接的には松本さんの影響を受けていないと述べました。
松本さんのスタイルを直接コピーしたり分析したりは
していないということです。
しかし
松本さんに影響を与えたギタリスト
松本さんから影響を受けたギタリスト
はどこかでコピーしているはずです。
「好きなミュージシャンのスタイルに近づく方法」でも書きましたが
真似をしたいミュージシャンのルーツを掘り下げることが大事です。
松本さんに影響を与えたギタリストや
松本さんから影響を受けたギタリストのコピーをしているうちに、
松本さんっぽさ、が出た
少なくとも二人のお客さんにはそう見えた。
そう考えるしかありません。
それにしても納得いかんけど(笑)
最後に
自分はそのつもりがなくても
知らないうちに何かしらの影響を受けているかもしれない、という話でした。
間接的に。
間接の間接のさらに間接くらいで。
僕のB’zの例のように
納得いかない・心当たりがないというくらい全く通ってないミュージシャンと似てると言われたら、
巡り巡って何かしらの影響をうけたものと考えましょう。
それはそれで新たな発見があるかもしれません。
掘り下げてみるのも面白いでしょう。
僕ですか?
B’zは掘り下げません(笑)
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