ギターを弾いているときに何を考えていますか?
「どう押さえようか」
「どうピッキングしようか」
もちろん、これらも大事ですが
呼吸に意識をむけることで演奏がよくなることがあります。
え、ギターなのに?
うん、ギターでもです。
詳しく見ていきます。
呼吸が必要な楽器・必要でない楽器
様々な楽器が世の中にはありますが、必然的に呼吸が必要になる楽器があります。
音を出すのに呼吸が必要という意味です。
演奏中に呼吸しないわけではないよ(笑)
呼吸が必要な楽器
そう、管楽器ですね。
ひろーい意味で「笛」。

これらは、息を吹いて音を出す以上
絶対に呼吸のタイミングが演奏に関わってきます。
つまり、シンセサイザーやエフェクトを深くかけたギターのように
長ーく音を出すことはできないということです。
そういう意味では管楽器は人間に近い
ある種、生々しい楽器なんだと言えます。
だって呼吸のリズムに合わせるしかないからね。
そして、もう一つ。
楽器の一部と考えるとするなら、
歌も呼吸が深く関わってきます。
ブレス(息つぎ)無しでずっと歌える人なんていません。
管楽器奏者とボーカリストはいやでも演奏(歌唱)中に
呼吸を意識せざるをえないんです。
ところがその他の楽器、ギターやドラム、ベース、キーボードなどは
呼吸をしなくても音は出るでしょ、とりあえず。
よってこれらの楽器のプレイヤー達はあまり呼吸を意識しません。
ここに問題があります。
呼吸を意識しないと
前述したとおり、どの楽器を演奏するにしても呼吸自体はしています。
しかし、「意識する」と「意識しない」とでは大違い。
呼吸を意識しないことで、
- 余計な力みや緊張が生まれる
- 弾いているフレーズにメリハリがなくなる
ということが起こります。
余計な力みや緊張が生まれる
呼吸は自律神経が司っています。
自律神経とは無意識に身体の機能や活動を調整するものですね。
呼吸は、自分の意識でもある程度コントロールができる数少ないものなんですが
最終的には自律神経に頼っています。
んで、自律神経には交感神経と副交感神経とがあって。
交感神経が優位になれば、活動・興奮・緊張状態など
副交感神経が優位になれば、休息・安静・リラックス状態など
になります。

起きているときは常に100%交感神経が働いているというわけではなく
交感神経と副交感神経は絶えず細かく入れ替わるといいます。
じゃ、呼吸は?というと
「吸う」は交感神経、「吐く」は副交感神経の働きです。
呼吸を止めたり呼吸が浅くなると、身体が緊張状態になるため交感神経
深くゆっくり深呼吸をしているときは、副交感神経が優位となります。

なんとなくわかってきましたか?
演奏中に呼吸に意識をむけない
↓
呼吸が浅くなる、または一瞬止まる
↓
身体が緊張状態
↓
良い演奏ができない
という流れができてしまいます。
弾いているフレーズにメリハリがなくなる
管楽器の演奏は呼吸とセットです。
つまり、息継ぎをするタイミングで絶対に音が途切れます。
これが非常にいい!
対して、ギターなど息継ぎとは関係なく音が出せる楽器は
その気になれば延々と音を鳴らすことができます。
これが非常によくない!
通常の演奏パートも注意したほうがいいんですが
特にギターソロやピアノソロなど、一人でメインのフレーズを奏でていく瞬間は要注意です。
ソロだと、自分がメインになるので目立とうと思ったり
見せ場なので沢山音を出して弾かなきゃと思ったりで、
やたら弾きまくってダラダラしがちです。
つまり、音数が多くなる。
それも、途切れ無く。
こうなると聞いている側としては疲れます。
曲の印象が、少なくともソロの部分が
なんとなく間延びしたりダラけたように感じます。
これは僕の個人的な感覚ですが
テクニックを持っている人ほど、これみよがしに弾きまくる傾向にある気がするんですよねー。
「俺の演奏見てくれー!すごいだろー!?」的な。
「音」というのは結局「言葉」なんですよ。
絶対に“間”が必要です。
いくら綺麗な言葉づかいでも、いくら良い声でも
息つく暇もなくベラベラベラベラ喋りかけられたら疲れるのと同じです。
呼吸を意識する方法
じゃどうすれば呼吸を意識できるのか?
まぁ、普通に意識すりゃいいんだけど
ただ単に呼吸に意識をむけるだけでは、演奏のほうが疎かになります。
楽器演奏というのは非常に複雑な作業です。
それをやりながら呼吸も常に意識して、っていうのはかなり難易度が高いですよね。
常に意識するというよりは
要所要所で意識する方が良いです。
ソロのとき、とか
ボーカルとギターだけになるとき、とか。
ソロのときは
息を吐き続けている間だけ音を出して、吸うタイミングで一回音を切る(休符を入れる)
とメリハリのついた非常に聞きやすいソロになります。
フレーズがかっこいいかはまた別問題だけどね(笑)
ボーカルと何か一つの楽器だけになるときは
アレンジによもよりますが、できるだけボーカルの呼吸に合わせましょう。
そうすることでボーカルとの一体感が生まれ、声と楽器の音が馴染みます。
音が途切れない箇所、例えば
ドラムでずっとビートを刻んでいる
コードでジャカジャカ伴奏している
などのときは、一定周期で吸うといいです。
自分で「4拍目で吸う」とか決めるんです。
変に意識しすぎず「そういうルーティン」だと決めてしまう。
呼吸を止めると緊張状態になるため、基本的にはやめたほうがいいんですが
あえて呼吸を止めて緊張状態を作ったほうがいいときもあると感じています。
緊張状態のため、あまり長い時間は使えないです。
「ここぞ!」というとき使うと効果的なんですが。
まぁ個人差あるだろうからオススメはしません。
最後に
楽器演奏って本当に大変ですよ。
弾くだけで精一杯という人も多いでしょう。
しかし、ほんの少し呼吸に意識を向けるだけで、
今まで弾けなかったフレーズが弾けるようになるかもしれません。
一曲終わったあとの疲労感がなくなるかもしれません。
これといった決まりはないので
自分なりに色々試してみると、新たな発見があるかと思います。
間違っても、演奏中にナウリとかはしないでください(笑)
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